糠喜び
「糠喜びで終わる」などのように使う「糠喜び」という言葉。
「糠喜び」は、「ぬかよろこび」と読みます。
「糠喜び」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「糠喜び」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
糠喜びの意味
「糠喜び」には次の意味があります。
・あてがはずれて、あとでがっくりするような一時的な喜び。(出典:デジタル大辞泉)
語源にはいくつかの説があり、(1) 糠の形状から「こまかい、ちっぽけな」といった意味で用いられ、さらに「頼りない、はかない様子」といった意味も加わり生じたとするもの、(2) ことわざの「糠に釘」から「糠に釘を打ち込んだと喜んだら、すぐ抜けて、がっかりした」ことから生まれたとするもの、(3) 「糠+喜び」とし、「喜びが抜けがら」の意として発生したとするものなどがあります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・せっかくの夢の発見も、どうやら糠喜びにすぎなかったようである。
(出典:安部公房『たとえば、タブの研究』)
・ところがその安心は要するに私の一時の糠喜びに過ぎなかった。
(出典:夢野久作『少女地獄』)
・退職金ももらいそこねたし、単にぬか喜びしただけで何も変わっていないのだ。
(出典:群ようこ『無印OL物語』)
・警視庁をあげての、凶賊逮捕の喜びも、ぬか喜びに終わってしまいました。
(出典:江戸川乱歩『怪人二十面相』)
・どう説明してよいかわからないし、もしかしたらぬか喜びに終わるかもしれない。
(出典:松村栄子『雨にもまけず粗茶一服』)
類語
・空喜び(そらよろこび)
意味:喜んだかいのないこと。ぬかよろこび。(出典:デジタル大辞泉)
・期待外れ(きたいはずれ)
意味:心待ちにしていたような結果にならないこと。(出典:デジタル大辞)
・元の木阿弥(もとのもくあみ)
意味:いったんよくなったものが、再びもとの状態に戻ること。(出典:デジタル大辞泉)
・水の泡(みずのあわ)
意味:努力したことがふいになること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・空頼み(そらだのみ)
意味:頼みにならないことを頼りにすること。むなしい期待をすること。(出典:デジタル大辞泉)