筆致
「筆致で綴る」などのように使う「筆致」という言葉。
「筆致」は、音読みで「ひっち」と読みます。
「筆致」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「筆致」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
筆致の意味
「筆致」には次の意味があります。
・書画や文章の書きぶり。筆のおもむき。筆つき。(出典:デジタル大辞泉)
「筆致」の「致」には「趣(おもむき)」という意味があります。
「絵のタッチ」などのように、和製英語で「タッチ」という表現もありますが「筆致」と同じ意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・最初に目に入った印象では、クリムトの精緻で華やかな筆致に似ていた。
(出典:二階堂黎人 『奇跡島の不思議』)
・どの個人がかくまでに自由な筆致を示し得たであろう。
(出典:柳宗悦 『工芸の道』)
・開いてみると、針のように鋭い筆致で、殴り書きがなされていた。
(出典:支倉凍砂 『狼と香辛料XII』)
・淡々とした筆致で都会の男女の恋愛模様を描き、大勢の女性読者を獲得している。
(出典:坂東眞砂子 『13のエロチカ』)
・この厚意は実に美しく独特な筆致で描かれている。
(出典:小林秀雄 『考えるヒント』)
類語
・手蹟(しゅせき)
意味:文字の書きぶり。(出典:デジタル大辞泉)
・筆跡(ひっせき)
意味:筆のあと。書かれた文字。また、その文字の有様。書きぶり。
(出典:精選版 日本国語大辞典)
・筆付き(ふでつき)
意味:筆の使いぶり。筆で書かれた文字や絵のようす。(出典:デジタル大辞泉)
・肉筆(にくひつ)
意味:印刷・複製などでなく、本人が実際に手で書くこと。また、そのもの。
(出典:デジタル大辞泉)
・タッチ
意味:芸術作品の作風。絵画の筆触、文学の筆致など。(出典:デジタル大辞泉)