立件
「傷害事件として立件された」などのように使う「立件」という言葉。
「立件」は、音読みで「りっけん」と読みます。
「立件」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「立件」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
立件の意味
「立件」には次の意味があります。
・刑事事件において、検察官が公訴を提起するに足る要件が具備していると判断して、事案に対応する措置をとること。(出典:デジタル大辞泉)
分かりやすく言うと、警察が、送検するのに必要な証拠を揃えて検察官に渡し、検察官がそれを刑事事件であると認め、公訴に向け対応を始める、ということです。
なお、「立件」されたからといって、検察官が公訴するとは限りません。
その事案が「起訴」されるか「不起訴」になるかは、「立件」の次の段階になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・警察が立件送致した事件が不起訴になることは、極めて稀まれなことである。
(出典:佐竹一彦『挙動不審者』)
・ほかにも余罪はあったらしいんですが、立件はできなかったそうです。
(出典:樋口有介『枯葉色グッドバイ』)
・渡辺恒蔵には、刑事事件に立件しようと思えばできる案件は無数にある。
(出典:朔立木『死亡推定時刻』)
・ハルの場合はまだ犯罪として立件されてないはずだったけれど、弱みがあるという点では同じだ。
(出典:阿佐田哲也『先天性極楽伝』)
・警察が告訴を取り上げるとも思えないし、取り上げても立件できんでしょう。
(出典:高杉良『金融腐蝕列島(下)』)
類語
・公訴(こうそ)
意味:刑事事件について、検察官が裁判所に起訴状を提出して裁判を求めること。(出典:デジタル大辞泉)
・起訴(きそ)
意味:刑事訴訟で、検察官が裁判所に公訴を提起すること。(出典:デジタル大辞泉)
・刑事訴追(けいじそつい)
意味:検察官が特定の事件につき被告人を起訴して、その刑事責任を追及起訴すること。検察官が公訴を行なうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・不起訴(ふきそ)
意味:検察官が公訴を提起しないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・嫌疑不十分(けんぎふじゅぶん)
意味:検察官が事件を不起訴とする場合の理由の一つ。法務省訓令の「事件事務規定」に定められた不起訴の裁定の一つ。被疑事実について、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときに適用される。(出典:デジタル大辞泉)