窮鼠猫を噛む
「窮鼠猫を噛むとばかりに反撃する」などのように使う「窮鼠猫を噛む」という言葉。
「窮鼠猫を噛む」は、「きゅうそねこをかむ」と読みます。
「窮鼠猫を噛む」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「窮鼠猫を噛む」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
窮鼠猫を噛むの意味
「窮鼠猫を噛む」には次の意味があります。
・追いつめられた鼠が猫にかみつくように、弱い者も追いつめられると強い者に反撃することがある。(出典:デジタル大辞泉)
「窮鼠」は「窮地に追い込まれた鼠」のことです。
猫に追いつめられた鼠は、一か八かで攻撃に転じることもあり、これを喩えに用いて「窮鼠猫を噛む」は「弱者でも追いつめられると反撃することがある」という意味で使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・窮鼠猫を噛むの譬え通り、どんなことをするかわかりません。
(出典:笹沢左保『地獄を嗤う日光路』)
・殺鬼の目をむき、憤怒の口をひらき、圧倒された弱者の、文字通り窮鼠猫を噛む、最後の反撃だった。
(出典:柴田錬三郎『続 江戸群盗伝』)
・窮鼠猫を噛むということも一応思ってみる必要がある。
(出典:吉川英治『鳴門秘帖』)
・窮鼠猫を噛むというが、包囲されて退路を断たれた兵士の反撃ほど恐ろしいものはない。
(出典:光瀬龍『紐育、宜候 SF〈太平洋戦争〉』)
・キングの逃げ道はなく、窮鼠猫を噛むとばかりにがむしゃらに攻撃する術もない。
(出典:東野圭吾『容疑者Xの献身』)
類語
・火事場の馬鹿力(かじばのばかぢから)
意味:切迫した状況に置かれると、普段には想像できないような力を無意識に出すことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・窮寇は追うことなかれ(きゅうこうはおうことなかれ)
意味:窮地に立った敵は、必死に抵抗してきて、思わぬ損害をうけるので、追いつめるな。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・背水の陣(はいすいのじん)
意味:一歩もひけないような絶体絶命の状況の中で、全力を尽くすことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・窮余の一策(きゅうよのいっさく)
意味:苦しまぎれに思いついたはかりごと。(出典:大辞林 第三版)
・鼬の最後っ屁(いたちのさいごっぺ)
意味:困ったときに非常手段に訴えること。(出典:デジタル大辞泉)