穴場
「穴場の観光スポット」などのように使う「穴場」という言葉。
「穴場」は、訓読みで「あなば」と読みます。
「穴場」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「穴場」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
穴場の意味
「穴場」には次の二つの意味があります。
1 一般の人にあまり知られていない、いいところ。あな。
2 競馬・競輪などで、馬券・車券など投票券の売り場。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
穴場の意味①「一般の人にあまり知られていない、いいところ。あな。」
「穴場」の一つ目の意味は「一般の人にあまり知られていない、いいところ。あな。」です。
わかりやすく言うと、観光や、飲食、レジャーなどの、隠れスポットを意味します。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・穴場とでもいうのか、この時間でも空席があって、店の中も静かだった。
(出典:赤川次郎『招かれた女』)
・こんなすごい穴場がまだのこっていたのかと眼をこすりたくなりますぞ。
(出典:開高健『私の釣魚大全』)
・言わばみんな場所は知ってるのにその快適さは知らない穴場であろうか。森写歩朗はグースカ鳴る腹を押さえながら空を見上げた。
(出典:阿智太郎『僕の血を吸わないで1』)
・穴場らしく、週末だというのに他の客はほとんどいない様子である。
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!サイドアームズ1 音程は哀しく、射程は遠く』)
・正午に友人の車で出発して平塚の穴場に到着したのが三時ごろ。
(出典:東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』)
穴場の意味②「競馬・競輪などで、馬券・車券など投票券の売り場。」
「穴場」の二つ目の意味は「競馬・競輪などで、馬券・車券など投票券の売り場。」です。
この意味では、競輪場や、競馬場などに備えられた、券の売り渡し窓口を指します。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・次のレースのために穴場に向かう人波が、眼の前をぞろぞろ歩いていく。
(出典:阿佐田哲也『ばいにんぶるーす』)
・テレビのオッズをちょいと眺め、ニヤッと笑みを浮かべて穴場に寄った。
(出典:阿佐田哲也『ヤバ市ヤバ町雀鬼伝1』)
・現在のように機械発売になる前は、穴場にとっついている時間で、どのくらいの量を買ったかピタリと当てる者も居た。
(出典:阿佐田哲也『ヤバ市ヤバ町雀鬼伝1』)
・スリも、馬券を買って、的中した歓喜を穴場で味わいたくなるのだ。
(出典:吉川英治『俗即菩提』)
・もう泣いても笑っても、これが今日最後の勝負なので、私は車券を売る「穴場」と呼ぶ窓口の横に立って、慎重に予想を組み立てていました。
(出典:安部譲二『賞ナシ罰アリ猫もいる』)