知己
「知己を頼る」などのように使う「知己」という言葉。
「知己」は、音読みで「ちき」と読みます。
「知己」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「知己」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
知己の意味
「知己」には次の二つの意味があります。
1 自分のことをよく理解してくれている人。親友。
2 知り合い。知人。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
知己の意味①「自分のことをよく理解してくれている人。親友。」
「知己」の一つ目の意味は「自分のことをよく理解してくれている人。親友。」です。
この意味では、自分の気持ちや考えをよく知っている人。いわゆる「親友」を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・たとえ五〇〇年の長寿をえても、この男と知己になることはありえない。
(出典:田中芳樹『タイタニア2-暴風編』)
・しかし、それには友人知己の意見も十分聞いてから決めたいと思う。
(出典:坂口安吾『安吾人生案内』)
・乱歩氏はそこにおそらく、知己に似た感じを発見したのに違いないのである。
(出典:横溝正史『トランプ台上の首』)
・田舎紳士の饒舌が、早くも人々を五年以来の知己にした。
(出典:横光利一『蠅』)
類語
・旧知(きゅうち)
意味:むかしなじみ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・水魚の交わり(すいぎょのまじわり)
意味:非常に親密な交友。(出典:デジタル大辞泉)
・竹馬の友(ちくばのとも)
意味:幼時からの親しい友。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・管鮑の交わり(かんぽうのまじわり)
意味:友人としての親密な交わり。(出典:精選版 日本国語大辞典)
知己の意味②「知り合い。知人。」
「知己」の二つ目の意味は「知り合い。知人。」です。
この意味では、単に「知り合い」という意味で使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それだけに、あまり知己にはなりたくない人物と思っていたからである。
(出典:茶屋二郎『遠く永い夢(上)-本能寺 信長謀殺の真実』)
・私にその男を紹介して下さい、私はどうかしてその人と知己になりましょうよ。
(出典:森田草平『クリスマス・カロル』)
・僕の父なんかも、何時の間にか、あんな連中と知己になっているのですよ。
(出典:菊池寛『真珠夫人』)
・それに父は自由党員に知己も多かったので、種々話をしているときもあった。
(出典:長谷川時雨『マダム貞奴』)
類語
・知人(ちじん)
意味:互いに知っている人。(出典:デジタル大辞泉)
・面識(めんしき)
意味:互いに顔を知っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・知り合い(しりあい)
意味:互いに相手を知っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・知音(ちいん)
意味:知り合い。(出典:デジタル大辞泉)