眉唾物
「眉唾物の昔話」などのように使う「眉唾物」という言葉。
「眉唾物」は、訓読みで「まゆつばもの」と読みます。
「眉唾物」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「眉唾物」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
眉唾物の意味
「眉唾物」には次の意味があります。
・だまされる心配のあるもの。真偽の確かでないもの。信用できないもの。(出典:デジタル大辞泉)
「眉唾物」は、江戸時代の慣習で「眉に唾をつければ狐や狸などに化かされない」と信じられていたことが語源となり、「騙されるかもしれないもの」などの意味で使われています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・外場周辺に熊が出たなどという話は老人の眉唾物の昔話でしか聞かない。(出典:小野不由美『屍鬼(上)』)
・眉唾物の武勇伝を話し、あの犯人とは飲み友達であった、あの親分からよく仕事をもらった、と言う。(出典:伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』)
・この事件は、司法官たちの目にはいかにも眉唾物に映ったのだ。(出典:ルブラン/野内良三訳『ルパンの告白』)
・イリヤはブロンドの眉毛をぐっとあげて、今の話はどうも眉唾物だと言わんばかりの表情を浮べている。(出典:D・マクダニエル/一ノ瀬直二訳『0011/ナポレオン・ソロ・シリーズ 第5巻 人類抹殺計画』)
・連絡艇を点検するというのも、眉唾物だ。(出典:森岡浩之『星界シリーズ 1 帝国の王女』)
類語
・虚妄(きょもう)
意味:事実でないこと。うそ。いつわり。きょぼう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・嘘八(うそっぱち)
意味:「うそ(嘘)」を強めた言い方。まっかなうそ。うそっぱし。うそぱち。(出典:)
・絵空事(えそらごと)
意味:大げさで現実にはあり得ないこと。誇張した表現。(出典:デジタル大辞泉)
・事実無根(じじつむこん)
意味:根拠となる事実がまったくないこと。事実に基づいていないこと。根も葉もないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・荒唐無稽(こうとうむけい)
意味:言動に根拠がなく、現実味のないこと。(出典:デジタル大辞泉)