相合傘
「相合傘を書く」などのように使う「相合傘」という言葉。
「相合傘」は、訓読みで「あいあいがさ」と読みます。
「相合傘」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「相合傘」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
相合傘の意味
「相合傘」には次の二つの意味があります。
1 二人で1本の傘を差すこと。
2 男女の仲を示すいたずら書きの一種。簡単な線書きの傘の柄の両側に二人の名前を書くもの。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
相合傘の意味①「二人で1本の傘を差すこと。」
相合傘の一つ目の意味は「二人で1本の傘を差すこと。」です。
「相合」は、一緒に物事をしたり共有したりするという意味の言葉で、傘を共有することを「相合傘」といいます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・見る人もないのを幸い、雄一郎は相合傘で有里を塩谷の駅へ送って行った。
(出典:平岩弓枝『旅路(上)』)
・この時、他の一方の橋の袂から、また一組の相合傘が現われました。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・男が一緒だったとすれば、相合傘ということも考えられるし、女の傘がないことも説明がつく。
(出典:西村京太郎『夜の終り』)
・花の雨の中を相合傘で来る人がある。
(出典:柴田宵曲『古句を観る』)
類語
・最合傘(もやいがさ)
意味:一本の傘を二人でさすこと。多くは男女の場合にいう。(出典:デジタル大辞泉)
・ツーショット
意味:(男女が)二人で写っている写真。転じて、(男女が)二人だけでいること。(出典:デジタル大辞泉)
・相合煙管(あいあいきせる)
意味:男女二人で一本のキセルを共用すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
相合傘の意味②「 男女の仲を示すいたずら書きの一種。簡単な線書きの傘の柄の両側に二人の名前を書くもの。 」
「相合傘」の二つ目の意味は「男女の仲を示すいたずら書きの一種。簡単な線書きの傘の柄の両側に二人の名前を書くもの。」です。
傘を表した二等辺三角形の中心に線を引き、線の両脇に男女の名前を書いて、男女の仲をからかういたずら書きとして用いられています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・女房とどこかの色男とが相合傘に入っている落書きなどをされては、亭主としても黙っているわけにはいかない。
(出典:阿刀田高『江戸禁断らいぶらりい』)
・よく見ると壁のあちこちに相合傘のしるしやきわどい落書がある。
(出典:光瀬龍『復讐の道標』)
・そのとき、白秋の碑にしるされた相合傘のいたずら書きを目にした瞬間、このアイディアが浮かんだ。
(出典:鮎川哲也『朱の絶筆』)
類語
・落書(らくがき)
意味:門・壁・塀など、書くべきではないところに文字や絵のいたずら書きをすること。また、その書いたもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・悪戯気(いたずらっけ)
意味:冗談半分でおどけた悪さをする気持。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・冷やかし(ひやかし)
意味:からかうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)