目が眩む
「宝石に目が眩む」などのように使う「目が眩む」という言葉。
「目が眩む」は、訓読みで「めがくらむ」と読みます。
「目が眩む」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「目が眩む」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
目が眩むの意味
「目が眩む」には次の三つの意味があります。
1目まいがする。
2強い光線などのために、一時的に視力を失う。
3心を奪われて判断力がなくなる。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
目が眩むの意味①「目まいがする。」
「目が眩む」の一つ目の意味は「目まいがする。」です。
身を置く場所が、自分自身の不得意な場所であったときに、立っていられないくらいの不安を強く感じたときのことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ものすごい高さに目が眩み、わたしはあわてて山田さんの頭を掴みます。
(出典:沖田雅『先輩とぼく 3』)
・一瞬目が眩みそうになったが、位置はしっかりと確認できた。
(出典:貴志祐介『新世界より』)
・僕の頭は重くなつて、眼は眩んで、真直に物を視る事も出来なくなります。
(出典:ファーブル・ジャン・アンリ『科学の不思議』)
類語
・めまい
意味:目が回ったり、くらんだりすること。(出典:デジタル大辞泉)
・立ちくらみ
意味:立ち上がるときに、または立っているときに急にめまいがすること。(出典:デジタル大辞泉)
・眩暈(げんうん)
意味:目がくらんで頭がふらふらすること。(出典:デジタル大辞泉)
目が眩むの意味②「強い光線などのために、一時的に視力を失う。」
「目が眩む」の二つ目の意味は「強い光線などのために、一時的に視力を失う。」です。
比較的暗い場所にいた時、眼球の瞳孔は大きく開いており、そのまま急に明るい光を浴びると、眼球は大量の光線を取り入れてしまうので視力の調節が追いつかず、見えないという現象が生じます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・と目も眩むような炎があがり、紙の蝶は一瞬で灰になってしまった。
(出典:毛利志生子『カナリア・ファイル2~傀儡師』)
・光に目を眩ませながら見上げると、俺たちが滑走路とした道路は健在だった。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第7巻』)
・そして尾部からは、目も眩むような閃光をパッパッと噴きだしていた。
(出典:海野十三『地球盗難』)
類語
・くらくら
意味:めまいがして倒れそうになるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・ゆらゆら
意味:物がゆっくりと大きく、繰り返し揺れ動くさま。(出典:デジタル大辞泉)
・よたよた
意味:足の動きがしっかりしていないさま。(出典:デジタル大辞泉)
目が眩むの意味③「心を奪われて判断力がなくなる。」
「目が眩む」の三つ目の意味は「心を奪われて判断力がなくなる。」です。
見た物が魅力的に感じられ、恋をしたような幸せを味わい我を忘れてしまうことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・娘時代は目の眩むほどの美人だったにちがいない。
(出典:クリスティ/一ノ瀬直二訳『秘密組織』)
・あたし、あなたなんかに眼が眩んで、とうとうお嫁さんになりそこねたわ。
(出典:横光利一『上海』)
・幽霊は金に目が眩まないが、生身の人間は金目当てで悪魔にもなれる。
(出典:吉村達也『ワンナイトミステリー4 「倫敦の霧笛」殺人事件』)
類語
・羨望(せんぼう)
意味:うらやむこと。うらやましく思うこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・魅惑(みわく)
意味:魅力で人の心をひきつけまどわすこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・骨抜き(ほねぬき)
意味:気骨や節操などをなくさせること。(出典:デジタル大辞泉)