甲乙
「甲乙つけがたい」などのように使う「甲乙」という言葉。
「甲乙」は、音読みで「こうおつ」と読みます。
「甲乙」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「甲乙」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
甲乙の意味
「甲乙」には次の意味があります。
・甲と乙。第一と第二。二者間のまさりおとり。優劣。(出典:大辞林 第三版)
「甲乙」をわかりやすく言うと「二つうちの、優れているほうと劣っているほう」という意味です。
「甲乙」は中国の十干(じっかん)に由来する言葉で、どちらが良い悪いということはありませんが、言葉として「甲」が先に来るので、ビジネスシーンなどでは相手を「甲」とすることが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・甲乙つけがたい作品が目の前に並べられたとき、人は何を基準に選ぶだろうか。
(出典:和田利夫『昭和文芸院瑣末記』)
・同じ村内でもそこの土壌の質によって柿の甘さに著しい甲乙があった。
(出典:中島哀浪『かき・みかん・かに』)
・氷の性質に甲乙があるわけではないのである。
(出典:田中正造『非常歎願書』)
・どちらも甲乙つけがたいいい女、道ゆく人で振り向かないものはありません。
(出典:林真理子『本朝金瓶梅』)
・三大剣客の技術に、甲乙を付することは、なかなか大胆な仕事である。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
類語
・優劣(ゆうれつ)
意味:すぐれていることと、おとっていること。(出典:デジタル大辞泉)
・高下(こうげ)
意味:まさっていることと劣っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・雌雄(しゆう)
意味:すぐれていることと劣っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・勝敗(しょうはい)
意味:勝つことと負けること。(出典:デジタル大辞泉)
・勝ち負け(かちまけ)
意味:勝つことと負けること。(出典:デジタル大辞泉)