田舎
「田舎暮らし」などのように使う「田舎」という言葉。
「田舎」は、音読みで「いなか」と読みます。
「田舎」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「田舎」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
田舎の意味
「田舎」には次の二つの意味があります。
1 都会から離れた土地、地方。都以外の所。また、人家が少なく、へんぴな所。
2 地方にある生まれ故郷、または、親などの出身地。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
田舎の意味①「都会から離れた土地、地方。」
「田舎」の一つ目の意味は「都会から離れた土地、地方」です。
「田舎暮らし」で「都会から離れた土地での暮らし」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・わたしも中学を出て二年ばかり田舎の小学校へ勤めたことがあります。
(出典:岸田国士『沢氏の二人娘』)
・どこの田舎へ来たのだろうか、と誰もが思うような駅で三人は降りた。
(出典:片岡義男『少女時代』)
・こんな奴は田舎へ行って百姓でもして居る方が柄に合っているのだ。
(出典:黒島伝治『自画像』)
・遠い地方の田舎へやられるのは、多くはそうであったのかも知れない。
(出典:大杉栄『自叙伝』)
類語
・郊外(こうがい)
意味:都市に隣接した地域。市街地に隣接した田園地帯。近郊。市外。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・未開地(みかいち)
意味:まだ開化されていない土地。文明がゆきわたっていない土地。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・未発達(みはったつ)
意味:まだ完全に発育していないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・町外れ(まちはずれ)
意味:町の家並みが終わろうとする辺り。町の外れ。(出典:デジタル大辞泉)
田舎の意味②「地方にある生まれ故郷、または、親などの出身地。」
「田舎」の二つ目の意味は「地方にある生まれ故郷、または、親などの出身地。」です。
わかりやすく言うと、自分や親などの生まれ育った場所のことです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・田舎に妻子を疎開させてあるという事は、はじめから皆に打明けてある。
(出典:太宰治『グッド・バイ』)
・それが当分の間、手伝いのために田舎から私の家に来ていたことがあった。
(出典:小出楢重『めでたき風景』)
・手伝い婆さんは、実は田舎の息子がと自分から口実を作って暇をとった。
(出典:織田作之助『雨』)
・そうして東京にゐますと此度は田舎のいゝ処ばかりが思ひ出されるのです。
(出典:伊藤野枝『編輯だより』)
類語
・故郷(こきょう)
意味:生まれ育った土地。(出典:デジタル大辞泉)
・故国(ここく)
意味:自分が生まれた国。母国。また、自分の生まれた地方。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・地元(じもと)
意味:そのことに直接関係ある土地。(出典:デジタル大辞泉)
・生国(しょうごく)
意味:その人の生まれた国。出生地。(出典:精選版 日本国語大辞典)