生き字引
「会社の生き地引的な存在である」などのように使う「生き字引」という言葉。
「生き字引」は、訓読みで「いきじびき」と読みます。
「生き字引」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「生き字引」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
生き字引の意味
「生き字引」には次の意味があります。
・博識の人。特に、会社・役所などで過去の出来事や規則などに通じている人。(出典:デジタル大辞泉)
「字引」とは「辞典」や「辞書」を意味する言葉で、これが人格化されたものが「生き字引」です。
ここから、辞書や辞典などのように、ある物事について、見聞が広く物事をよく知っている博識な人のことを「生き字引」というようになりました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・おそろしく顔が広く、ベトナム現代史の生き字引きみたいな人物である。
(出典:近藤紘一『サイゴンのいちばん長い日』)
・山岳史の生き字引のような方で、調べていただいた登頂リストはたいへんにありがたい資料となった。
(出典:夢枕獏『神々の山嶺 下』)
・いわばオハイオ工場の生き字引的な存在である。
(出典:佐藤正明『ホンダ神話 教祖のなき後で(上)』)
・長太夫は、まさに釣りの生き字引であった。
(出典:夢枕獏『大江戸釣客伝(下)』)
・上松氏は中央気象台の業務畑を長年歩いてきた人物で、戦前戦後を通じての気象用通信回線と無線放送の変遷については、生き字引のような知識を持っていた。
(出典:柳田邦男『空白の天気図』)
類語
・博学(はくがく)
意味:ひろく学ぶこと。ひろく種々の学問に通じていること。また、そのさまやその人。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・物知り(ものしり)
意味:広く物事を知っていること。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
・博識(はくしき)
意味:知識が広い分野に及んでいること。広く物事を知っていること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・情報通(じょうほうつう)
意味:ある分野の情報を詳しく知っていること。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
・大家(たいか)
意味:その道で特にすぐれた人。巨匠。(出典:精選版 日本国語大辞典)