理性
「理性を保つ」などのように使う「理性」という言葉。
「理性」は、音読みで「りせい」と読みます。
「理性」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「理性」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
理性の意味
「理性」には次の二つの意味があります。
1 道理によって物事を判断する心の働き。
2 善悪・真偽などを正当に判断し、道徳や義務の意識を自分に与える能力。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
理性の意味①「道理によって物事を判断する心の働き。」
「理性」の一つ目の意味は「道理によって物事を判断する心の働き。」です。
道理とは物事の道筋で、それにより「論理的、概念的に思考する能力」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・戦いは、理性によって人工的に整理された世界を、必死にめざしている。
(出典:片岡義男『日本語の外へ(下)』)
・カトリック教徒らが聖母を信ずると同じように彼らは理性を信じていた。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・人間は理性によつてといふよりも想像力によつて動物から區別される。
(出典:三木清『人生論ノート』)
・誰もが理性ではなく感情によって判断と選択をおこなおうとしていた。
(出典:田中芳樹『銀河英雄伝説 04 策謀篇』)
類語
・理知(りち)
意味:理性と知恵。また、本能や感情に支配されず、物事を論理的に考え判断する能力。(出典:デジタル大辞泉)
・知性(ちせい)
意味:物事を知り、考え、判断する能力。(出典:デジタル大辞泉)
・インテリジェンス
意味:知性。知能。理解力。(出典:デジタル大辞泉)
理性の意味②「善悪・真偽などを正当に判断し、道徳や義務の意識を自分に与える能力。」
「理性」の二つ目の意味は「善悪・真偽などを正当に判断し、道徳や義務の意識を自分に与える能力。」です。
「理性を失う」の慣用句をよく見ますが、「感情や欲望を制御できず、目先の事に囚われる」という意味になります。
ここでの感情や欲望の内容は状況によって変化します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・理性を失った女性の姿は、どうしてこんなに動物の臭いがするのだろう。
(出典:太宰治『女の決闘』)
・理性を保っていられるかは、神のみぞ知るところだ。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料Ⅵ』)
・銃声をたてたらまずい、というていどの理性すら失ってしまったようだ。
(出典:田中芳樹『走無常1』)
・まるで理性の限界を超え、抑えつけた怒りの中で闘っているように見えた。
(出典:ヘミングウェー/永井淳訳『危険な夏』)
類語
・機知(きち)
意味:その場に応じて、とっさに適切な応対や発言ができるような鋭い才知。(出典:デジタル大辞泉)
・智(ち)
意味:物事をよく理解する。賢い。(出典:デジタル大辞泉)