無辜
「無辜の罪を訴える」などのように使う「無辜」という言葉。
「無辜」は、音読みで「むこ」と読みます。
「無辜」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「無辜」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
無辜の意味
「無辜」には次の意味があります。
・罪のないこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
「辜」という漢字には、「重い罪」という意味があります。
また、「背く」「従わない」という意味も含まれます。
それに「無」という漢字がついて、「罪がない」「背かない」という意味を持つ熟語になっています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・無辜の罪を訴える人の数は、朝日が予想していたよりはるかに多かった。
(出典:姉小路祐『殺意の法廷』)
・しかしそれは愛子の目に自分を非常に無辜らしく見せただけの利益はあった。
(出典:有島武郎『或る女』)
・また、もし犯人とまったく関係がなければ、無辜の人間に迷惑をかけてしまう。
(出典:森村誠一『棟居刑事の憤怒』)
・人は無辜の人間となることが出來ても、神にはなれない。
(出典:福永渙『非暴力』)
・私は既に一人の無辜の人を殺し、そのため人間の世界に帰る望みを自分に禁じていた。
(出典:大岡昇平『野火』)
類語
・無罪(むざい)
意味:罪がないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・無実(むじつ)
意味:罪を犯していないのに、罪があるとされること。(出典:デジタル大辞泉)
・冤罪(えんざい)
意味:罪がないのに罰せられること。(出典:デジタル大辞泉)
・無実の罪(むじつのつみ)
意味:実際には犯していない罪。(出典:デジタル大辞泉)
・濡れ衣(ぬれぎぬ)
意味:濡れた衣服。身に覚えのない罪をいうたとえ。(出典:デジタル大辞泉)