炎上
「ブログが炎上する」などのように使う「炎上」という言葉。
「炎上」は、音読みで「えんじょう」と読みます。
「炎上」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「炎上」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
炎上の意味
「炎上」には次の三つの意味があります。
1 火が燃え上がること。特に、大きな建造物が火事で焼けること。
2 野球で、投手が打たれて大量に点を取られること。
3 インターネット上のブログなどでの失言に対し、非難や中傷の投稿が多数届くこと。また、非難が集中してそのサイトが閉鎖に追い込まれること。祭り。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
炎上の意味①「火が燃え上がること。特に、大きな建造物が火事で焼けること。」
「炎上」の一つ目の意味は「火が燃え上がること。特に、大きな建造物が火事で焼けること。」です。
「図書館が炎上する」で、「図書館から火が激しく燃え上がっている」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・水田が炎上している間は、たぶん、光っていても見えなかっただろうが。
(出典:貴志祐介『新世界より』)
・炎上する警備車 だが、学生たちの猛烈な抵抗ぶりは予想以上だった。
(出典:佐々淳行『東大落城 安田講堂攻防七十二時間』)
・町は炎上していたし、最後の掠奪者も引きあげようとしていたからだった。
(出典:ヴェルヌ/江口清訳『皇帝の密使(下)』)
類語
・火柱(ひばしら)
意味:柱のように空中に高く燃え上がった炎。(出典:デジタル大辞泉)
・猛火(もうか)
意味:激しく燃える火。勢いよく燃え上がる炎。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・燃え盛る(もえさかる)
意味:盛んに燃える。(出典:デジタル大辞泉)
炎上の意味②「野球で、投手が打たれて大量に点を取られること。」
「炎上」の二つ目の意味は「野球で、投手が打たれて大量に点を取られること。」です。
この「炎上」は、意味①の比喩的な使い方になります。ヒットを打たれ、どんどんランナーが溜まってくる様子や、失点してしまうことを火が燃え広がる様子に見立てています。「先発ピッチャーが炎上する」で、「先発ピッチャーが打ち込まれ、大量失点をする」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・先発ピッチャーが4回7失点と炎上し、降板した。
・試合は4対0と一方的な展開であったが、セットアッパーが炎上し1点差まで追い込まれることとなった。
・火消しに上がった中継ぎピッチャーが相手バッターに打ち込まれ、0対9と爆発炎上した。
類語
・連打(れんだ)
意味:野球で、各打者が続けて安打を打つこと。(出典:デジタル大辞泉)
・滅多打ち(めったうち)
意味:むやみやたらに打つこと。(出典:デジタル大辞泉)
・ビッグイニング
意味:野球で、1イニング(回)に大量点を取ること。(出典:デジタル大辞泉)
炎上の意味③「インターネット上のブログなどでの失言に対し、非難や中傷の投稿が多数届くこと。また、非難が集中してそのサイトが閉鎖に追い込まれること。祭り。」
「炎上」の三つ目の意味は「インターネット上のブログなどでの失言に対し、非難や中傷の投稿が多数届くこと。また、非難が集中してそのサイトが閉鎖に追い込まれること。祭り。」です。
この「炎上」も、意味①の比喩的な使い方になります。次々に書かれる非難や、その様子が拡散されることを火が燃え広がる様子に見立てています。「ブログが炎上する」で、「ブログがなんらかの失言により、非難が集中している状態」を意味しています。また、「祭り」と呼ばれることもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・アンタのその糞ブログ、そのうち絶対炎上させてやるかんね!
(出典:伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第3巻』)
・こんなアヤシゲな内容を、ヘタにネットにアップすれば炎上必至だ。
(出典:わかつきひかる『ふたかた』)
・投稿した内容がまずかったのか、私のブログはまたたく間に炎上した。
類語
・囂囂(ごうごう)
意味:人などがさわぐこと。また、声や音などがやかましいさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・殺到(さっとう)
意味:多くの人や物が一度に1か所に押し寄せること。(出典:デジタル大辞泉)
・糾弾(きゅうだん)
意味:罪や責任を問いただし、非難すること。(出典:デジタル大辞泉)