炊く
「ご飯を炊く」などのように使う「炊く」という言葉。
「炊く」は、訓読みで「たく」と読みます。
「炊く」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「炊く」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
炊くの意味
「炊く」には次の二つの意味があります。
1 米などの穀物を煮て食べられるようにする。
2 煮る。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
炊くの意味①「米などの穀物を煮て食べられるようにする。」
「炊く」の一つ目の意味は「米などの穀物を煮て食べられるようにする。」です。
白米、雑穀米、もち米など、基本的には米に類するものを煮て、柔らかく食べられる状態にすることです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・毎日お米を炊たいたり料理したりして食べていても無我夢中でおりました。
(出典:村井弦斎『食道楽』)
・炊く飯はいつも三合だから、大河は二合も一人で食べていることになる。
(出典:竹宮ゆゆこ『とらドラ・スピンオフ! 第2巻 虎、肥ゆる秋』)
・二軒しかない上手の方の家に寄り込んで米を出して昼食を炊いて貰った。
(出典:木暮理太郎『奥秩父の山旅日記』)
・家の中で食べるご飯というものは、やはり家の中で炊くもののようです。
(出典:赤瀬川原平『少年とオブジェ』)
類語
・炊ぐ(かしぐ)
意味:米や麦などを煮たり蒸したりして飯を作る。飯をたく。(出典:デジタル大辞泉)
・雑炊(ぞうすい)
意味:野菜や魚介類を混ぜ,味をつけて炊いた粥で,古くから行われている調理法の一つ。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・湯炊き(ゆだき)
意味:物を湯の中に入れて煮ること。特に、米を湯の中に入れて炊くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・煮詰まる(につまる)
意味:煮えて水分がなくなる。(出典:デジタル大辞泉)
炊くの意味②「 煮る。」
「炊く」の二つ目の意味は「煮る。」です。
西日本などでは、米に限らず、食物を煮ることを「炊く」と言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一年もキッチンで豚の骨をゴトゴト炊いてたら店をとりかえすでしょう。
(出典:開高健『珠玉』)
・これではいたるところ、人民たちが炊いて食べる物がないほど貧窮しているらしい。
(出典:鈴木三重吉『古事記物語』)
・邦彦は、母親から炊き方を教えられている内に、自分が何か大きな忘れ物をして来てしまったように感じはじめた。
(出典:半村良『魔女伝説』)
類語
・炊事(すいじ)
意味:食物を煮たきすること。まかない。かしぎ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・蒸す(むす)
意味:湯気を当てて熱を通す。(出典:デジタル大辞泉)
・煮込む(にこむ)
意味:いろいろな材料をまぜて煮る。(出典:デジタル大辞泉)
・煮炊き(にたき)
意味:食物を煮たり炊いたりすること。(出典:デジタル大辞泉)