濡れ手で粟
「濡れ手で粟をつかむ」などのように使う「濡れ手で粟」という言葉。
「濡れ手で粟」は、訓読みで「ぬれてであわ」と読みます。
「濡れ手で粟」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「濡れ手で粟」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
濡れ手で粟の意味
「濡れ手で粟」には次の意味があります。
・濡れた手で粟をつかむと、簡単にたくさんついてくる。何の苦労もせずに大きな利益を得ることのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)
「濡れ手で粟」とはつまり、「大した苦労もせずにたくさんの利益を得ること、得をすること」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・当れば濡れ手で粟の儲けを自分のものにしたいとも思ったのであろう。
(出典:向田邦子『あ・うん』)
・ただ、この手の商売はすぐに人に真似をされるし、濡れ手で粟なのは最初のうちだけだ。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料IV』)
・血気盛んな奴が懐中手をして濡手で粟の工風ばかりする老人連の真似をしたがる。
(出典:内田魯庵『青年実業家』)
・濡れ手で粟の前では人の理性など泥の綱と変わらないのだから、馬を制御できる理由もない。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料III』)
・濡れ手で粟の大金を手にした者が家を建てているのだ。
(出典:宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 黒く塗れ』)
類語
・一攫千金(いっかくせんきん)
意味:一度に、しかもたやすく大きな利益を得ること。(出典:デジタル大辞泉)
・ぼろ儲け(ぼろもうけ)
意味:元手や労力の割に多大の利益を得ること。(出典:デジタル大辞泉)
・海老で鯛を釣る(えびでたいをつる)
意味:少しの元手または労力で大きな利益を得ることのたとえ。えびたい。(出典:デジタル大辞泉)
・甘い汁を吸う(あまいしるをすう)
意味:他人を利用して、自分は苦労せずに利益を得る。(出典:デジタル大辞泉)
・荒稼ぎ(あらかせぎ)
意味:手段を選ばないで、一度に大金を稼ぐこと。(出典:デジタル大辞泉)