温順
「温順な人」などのように使う「温順」という言葉。
「温順」は、音読みで「おんじゅん」と読みます。
「温順」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「温順」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
温順の意味
「温順」には次の意味があります。
・(人柄や言動などが)おだやかで、すなおなこと。ひかえめで、やさしいさま。温和、柔順なさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「温順」は、主に人柄などが穏やかなことを意味しますが、気候などが穏やかなさまを意味することもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女はきわめて温順ではあったが、そのために多少気を悪くした。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・祖母という人は、温順な人ではあったが、実の祖母では無くて、継祖母であった。
(出典:島崎藤村『北村透谷の短き一生』)
・それは、また、善良で温順で家庭的な婦人という彼の理想にも通ずる。
(出典:加瀬俊一『ナポレオン その情熱的生涯』)
・猫の持つ野性の夢は、柔軟温順な外観から離れた、内心的なものである。
(出典:豊島与志雄『猫性』)
・けれども兄弟愛と性来の温順さが、じきに兄に対する怒りにうち勝ってしまいました。
(出典:ラム/松本恵子訳『シェイクスピア物語』)
類語
・寛厚(かんこう)
意味:心がゆったりして、態度が温厚でていねいな様子。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・温和(おんわ)
意味:性質などが、落ち着いていて、優しく穏やかなこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・優しい(やさしい)
意味:他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。(出典:デジタル大辞泉)
・順良(じゅんりょう)
意味:おとなしくてすなおであること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・温厚(おんこう)
意味:人あたりがやわらかくてまじめなさま。おだやかで情け深いさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)