温和
「温和な性格」などのように使う「温和」という言葉。
「温和」は、音読みで「おんわ」と読みます。
「温和」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「温和」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
温和の意味
「温和」には次の三つの意味があります。
1 気候が暖かで、厳しい変化のないこと。また、そのさま。
2 性質などが、落ち着いていて、優しく穏やかなこと。また、そのさま。
3 物事が、かど立たず人に受け入れられやすいこと。また、そのさま。 (出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
温和の意味①「気候が暖かで、厳しい変化のないこと。また、そのさま。」
「温和」の一つ目の意味は「気候が暖かで、厳しい変化のないこと。また、そのさま。」です。
「温和な土地」の「温和」の意味がこれに当たります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・都合のいい条件のひとつというのは、温和な気候であろう。
(出典:ハーン/平井呈一訳『東の国から』)
・西欧の中で群を抜いて農業に適した温和な気候と土壤に恵まれていたことももちろんある。
(出典:竹下節子『パリのマリア』)
類語
・温暖(おんだん)
意味:あたたかいさま。気候などがおだやかなさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・暖かい(あたたかい)
意味:)寒すぎもせず、暑すぎもせず、程よい気温である。あったかい。(出典:デジタル大辞泉)
・暖和(だんわ)
意味:気候が暖かくておだやかなこと。また、そのさま。和暖。(出典:精選版 日本国語大辞典)
温和の意味②「 性質などが、落ち着いていて、優しく穏やかなこと。また、そのさま。」
「温和」の二つ目の意味は「 性質などが、落ち着いていて、優しく穏やかなこと。また、そのさま。」です。
「温和な性格」の「温和」の意味がこれに当たります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いつもなら温和な笑顔を思わせる細い目には当惑の感情が浮かんでいた。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録8 刃を砕く復讐者(上)』)
・しかし眼の前には、ものわかり良さそうな温和な人物が腰かけていた。
(出典:遠藤周作『沈黙』)
・それからその性質はちょっと見ると、ごく温和でなかなか愛嬌があるです。
(出典:河口慧海『チベット旅行記』)
類語
・素直(すなお)
意味:心や気だてが他に逆らわないで、おだやかなさま。ひねくれたところのないさま。従順。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・柔和(にゅうわ)
意味:性質や態度などがやさしくて、おとなしいこと。おだやかに落ち着いていてものやわらかなこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・温順(おんじゅん)
意味:おだやかで、すなおなこと。ひかえめで、やさしいさま。温和、柔順なさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
温和の意味③「物事が、かど立たず人に受け入れられやすいこと。また、そのさま。」
「温和」の三つ目の意味は「物事が、かど立たず人に受け入れられやすいこと。また、そのさま。」です。
「温和な表現」の「温和」の意味がこれに当たります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・東洋では枚ばいをふくむという、もっと温和な方法を用いていたのである。
(出典:寺田寅彦『俳諧瑣談』)
・もっと温和な解決を希望していられるというのである。
(出典:大佛次郎『赤穂浪士(下) 〓あり』)
・そこにこそ、一八三〇年の革命の光輝があり、またその温和さがある。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
類語
・物柔らか(ものやわらか)
意味:態度や言葉にやわらかみがあり穏やかなさま。(出典:デジタル大辞泉)
・穏やか(おだやか)
意味:極端でなく、人に受け入れられやすいさま。穏当。(出典:デジタル大辞泉)
・長閑やか(のどやか)
意味:状態、雰囲気(ふんいき)などが、静かで穏やかなさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)