浅葱
「浅葱色の羽織を纏う」などのように使う「浅葱」という言葉。
「浅葱」は、訓読みで「あさぎ」と読みます。
「浅葱」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「浅葱」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
浅葱の意味
「浅葱」には次の意味があります。
・ 緑がかった薄い藍色(出典:デジタル大辞泉)
薄いネギの葉の色の意味で用いる色の名前です。「葱」を「黄」と混同して「浅黄」とも書くことがあります。
公家の装束である袍の色が浅葱であるところから、位階において六位の人を称することもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・浅葱の旗があったんで、尉官級の軍人の命令で来たと思いました。
(出典:井伏鱒二『黒い雨』)
・浅葱の色の袍に紅紫の下襲を殿上役人以下五位六位までも着ていた。
(出典:与謝野晶子『源氏物語』)
・白衣に浅葱の袴をつけた男性がカメラを構えているイメージがふっと頭に浮かんだのだ。
(出典:今邑彩『暗黒祭(「蛇神」シリーズ最終巻)』)
・五助は肩にかけた浅葱の嚢をおろしてその中から飯行李を出した。
(出典:森鴎外『阿部一族』)
・今日は鮮やかな浅葱色の水干を身につけ、長い髪を後方で束ねて背へ落としている。
(出典:夢枕獏『陰陽師太極ノ巻』)
・首抜の浴衣に、浅葱と紺の石松の伊達巻ばかり、寝衣のなりで来たらしい。
(出典:泉鏡花『光籃』)
・浅葱の病鉢巻は最前加恵が形よく結び直したばかりであった。
(出典:有吉佐和子『華岡青洲の妻』)
・それだけやっと近代化した伝統のある家で、浅葱の暖簾を昔ながらにまだ懸けていたかと思う。
(出典:蒲原有明『夢は呼び交す』)