洗礼
「洗礼を受ける」などのように使う「洗礼」という言葉。
「洗礼」は、音読みで「せんれい」と読みます。
「洗礼」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「洗礼」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
洗礼の意味
「洗礼」には次の二つの意味があります。
1 キリスト教で、信者となるための礼典。
2 あることについて初めての経験をして、大きな影響を受けること。また、災難をこうむったりすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
洗礼の意味①「キリスト教で、信者となるための礼典。」
「洗礼」の一つ目の意味は「キリスト教で、信者となるための礼典。」です。
キリスト教の信者になるために必要な儀式のことで、具体的には、全身を水にひたすか、または頭部に水を注いで罪を洗い清めます。
洗礼を受けることは、神の子として新しい生命を与えられる証とされています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・我々は全てみなキリスト教の洗礼を受け、その教えを受けてきています。
(出典:キェルケゴオル/芳賀檀訳『愛について』)
・洗礼が子供の頭に水をつけるだけになったのは十二世紀以降のことだった。
(出典:竹下節子『パリのマリア』)
・洗礼者は、ひげに包まれた顔に、気づかわしそうな表情を浮かべていた。
(出典:ムアコック『この人を見よ』)
・じょうぶな男の児で、洗礼のときヤーコプという名をつけられました。
(出典:原田義人『火夫』)
類語
・入信(にゅうしん)
意味:信仰の道にはいること。ある宗教の信者となること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・出家(しゅっけ)
意味:世俗の生活を捨て、僧となって仏道を修行すること。(出典:デジタル大辞泉)
・落飾(らくしょく)
意味:髪を剃りおとして仏門にはいること。身分の高い人についていう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・剃髪(ていはつ)
意味:髪を剃ること。特に、仏門にはいる際、髪を剃り落とすこと。(出典:デジタル大辞泉)
洗礼の意味②「あることについて初めての経験をして、大きな影響を受けること。また、災難をこうむったりすること。」
「洗礼」の二つ目の意味は「あることについて初めての経験をして、大きな影響を受けること。また、災難をこうむったりすること。」です。
言い換えると、何らかの組織の属する時など、新しい環境に身を置く際、そこでのルールやしきたりなどを経験をし、その後の生活や考え方などに影響を受けることをいいます。
受ける経験というのは、多くの場合その人にとって試練となるような辛いものであることがほとんどです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・特に向こうの方にある城はまるで爆弾の洗礼を受けたかのように見えた。
(出典:J・ブリッシュ『スター・トレックTV版(全12巻) 二重人間スポック!』)
・少年鮎太にとってはこれが生涯での最初の洗礼であったと云ってもよかろう。
(出典:井上靖『あすなろ物語』)
・こうして山本さんの洗礼を受けた形で、僕のプロとしての勝負は始まった。
(出典:江川卓『たかが江川されど江川』)
・しかし、すでにフクさんの白い目の洗礼を受けていた健作には通じなかった。
(出典:森田誠吾『魚河岸ものがたり』)
類語
・経験(けいけん)
意味:実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。また、それによって得られた知識や技能など。(出典:デジタル大辞泉)
・体験(たいけん)
意味:自分で実際に経験すること。また、その経験。(出典:デジタル大辞泉)
・見聞(けんぶん)
意味:実際に見たり聞いたりすること。また、それによって得た経験・知識。(出典:デジタル大辞泉)
・苦汁(くじゅう)
意味:つらい経験。(出典:デジタル大辞泉)