汚点
「人生の汚点」などのように使う「汚点」という言葉。
「汚点」は、音読みで「おてん」と読みます。
「汚点」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「汚点」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
汚点の意味
「汚点」には次の二つの意味があります。
1 よごれた箇所。よごれ。しみ。
2 好ましくない点。不名誉な点、きず。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
汚点の意味①「よごれた箇所。よごれ。しみ。」
「汚点」の一つ目の意味は「よごれた箇所。よごれ。しみ。」です。
わかりやすく言うと、物理的な汚れのことです。
物などについた汚れを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・毛布のはじに何やらネットリとした、黒い汚点がついていたからである。
(出典:横溝正史『花髑髏』)
・壁のある部分にはかなり古い大きな汚点のような物がついていた。
(出典:A・バートラム・チャンドラー『銀河辺境シリーズ(全25巻) 8 遙かなる旅人』)
・その下にも同じような孔と汚点があるが、ずっと大きくひろがっていた。
(出典:アイリッシュ/砧一郎訳『暁の死線』)
・薄明りの中で黒い汚点になった服のわき腹を手でおさえその手を広げる。
(出典:中上健次『野性の火炎樹』)
類語
・染み(しみ)
意味:液体などが部分的にしみついて汚れること。また、その汚れ。(出典:デジタル大辞泉)
・スポット(spot)
意味:点。斑点。(出典:デジタル大辞泉)
・汚れ目(よごれめ)
意味:汚れたあと。汚れた部分。(出典:デジタル大辞泉)
・変色(へんしょく)
意味:色が変わること。また、色を変えること。(出典:デジタル大辞泉)
汚点の意味②「好ましくない点。不名誉な点、きず。」
「汚点」の二つ目の意味は「好ましくない点。不名誉な点、きず。」です。
わかりやすく言うと、周りからの評判がよくなかったり自分で良くないと思っていたりすることをあらわす言葉になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・崩壊しないまでも、作家経歴の大きな汚点となるのは確実である。
(出典:森村誠一『山の屍』)
・人人の眼に、それは乱暴すぎる筆の捌きから生じた失策の汚点と見えた。
(出典:長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(下)』)
・これはぼくの人生における決定的な汚点として永遠に記憶されることだろう。
(出典:西尾維新『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』)
・彼女に押された烙印は永久的なもので、その汚点は消えないものとする。
(出典:ヴィドック/三宅一郎訳『ヴィドック回想録』)
類語
・欠点(けってん)
意味:不十分なところ。足りないところ。短所。あら。(出典:デジタル大辞泉)
・難点(なんてん)
意味:非難すべきところ。欠点。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・短所(たんしょ)
意味:劣っているところ。欠点。また特に、人の性質などのよくない面。(出典:デジタル大辞泉)
・難(なん)
意味:非難すべき点。欠点。(出典:デジタル大辞泉)