気分
「気分が悪い」などのように使う「気分」という言葉。
「気分」は、音読みで「きぶん」と読みます。
「気分」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「気分」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
気分の意味
「気分」には次の二つの意味があります。
1 快・不快など、ある期間持続する、やや漠然とした心身の状態。
2 その場の雰囲気。趣。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
気分の意味①「快・不快など、ある期間持続する、やや漠然とした心身の状態。」
「気分」の一つ目の意味は「快・不快など、ある期間持続する、やや漠然とした心身の状態。」です。
その時の状況によって生じる心持ちや、からだの状態によって生じる気持ちを表す言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女の傍にいることで、太郎はいくらか幸せな気分になった。
(出典:林田清明『赤い婚礼』)
・だれかの前でさめざめと泣いてみたいような気分にさえなっていた。
(出典:有島武郎『或る女』)
・ぱっと目がさめたとき、彼は急に気分のよくなっていることに気がついた。
(出典:海野十三『暗号数字』)
・ある日のこと、急に気分が悪いといって、親方は宿へ帰ると床につきました。
(出典:小川未明『春風の吹く町』)
類語
・気持ち(きもち)
意味:物事に接して、それに対して感じた心の状態。心のあり方。感情。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・心地(ここち)
意味:外界からの刺激に対して起こる心の状態。心持ち。(出典:デジタル大辞泉)
・機嫌(きげん)
意味:表情や態度にあらわれる気分のよしあし。快・不快などの感情。気分。(出典:デジタル大辞泉)
・感情(かんじょう)
意味:物事に感じて起こる気持ち。外界の刺激の感覚や観念によって引き起こされる、ある対象に対する態度や価値づけ。(出典:デジタル大辞泉)
気分の意味②「その場の雰囲気。趣。」
「気分」の二つ目の意味は「その場の雰囲気。趣。」です。
その場の様子や感じを表す言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・誰もかれもみんな散歩しているという気分なり空気なりが濃厚なんだ。
(出典:加能作次郎『早稲田神楽坂』)
・その頃の僕は、すでにプロフェッショナルの気分で、写真を始めていた。
(出典:片岡義男『ラハイナまで来た理由』)
・一方の美術、詩歌の表わす気分は他方のものと全く異なったものである。
(出典:村岡博『茶の本』)
・私はこの地にてはできるかぎり宗教的気分にみちた生活をする気でした。
(出典:倉田百三『青春の息の痕』)
類語
・雰囲気(ふんいき)
意味:その場所や、そこにいる人たちが自然に作り出している、ある感じ。また、ある個人がまわりの人たちに惑じさせる特別な気分。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・感じ(かんじ)
意味:その物事に特有の雰囲気。(出典:デジタル大辞泉)
・ムード
意味:その場その時の気分、感情。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・空気(くうき)
意味:その場の雰囲気。(出典:デジタル大辞泉)