残滓
「記憶の残滓」などのように使う「残滓」という言葉。
「残滓」は、読み方が複数あるので混乱しやすいかもしれません。
「残滓」とは、どのような意味や読み方の言葉でしょうか?
この記事では「残滓」の意味や読み方や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
残滓の読み方
「残滓」は、正式には「ざんし」と読みます。
ただし、慣用読みで「ざんさい」と読むこともできます。
「慣用読み」とは、正式な読み方ではないが、広く一般に浸透している読み方のことで、「残滓」は「ざんし」も「ざんさい」もどちらの読み方でも誤りではありません。
また、「残滓」は訓読みで「のこりかす」と読むこともあります。
残滓の意味
「残滓」には次の意味があります。
・容器などの底に残っているかす。残りかす。(出典:大辞林 第三版)
「残滓」は物理的な残りかすだけでなく、比喩的に感情や時代などの名残(なごり)を言うこともあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・まだ、さっきの感情の爆発の残滓が胸にわだかまっているようだった。
(出典:暁works『るいは智を呼ぶ① 皆元るい』)
・そこには、日本経済の中心地たる昼間の活気は、その残滓さえなかった。
(出典:山田正紀『謀殺のチェス・ゲーム』)
・聡との情事の残滓を漂わせたまま、やはり娘の元に帰ることは憚はばかられた。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第01巻』)
・タオルの端と洗面器の中に葉巻の微小片と食物の残滓が残っていました。
(出典:牧野修『だからドロシー帰っておいで』)
・視界の隅に、夢の残滓の闇がこびりついているような気がした。
(出典:馳星周『不夜城完結編 長恨歌』)
類語
・不純物(ふじゅんぶつ)
意味:主成分以外の雑多な混じり物。(出典:デジタル大辞泉)
・沈殿(ちんでん)
意味:液体中にある細かい固体物質が下方に沈積すること。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・水垢(みずあか)
意味:水に溶け込んでいた物質が分離して固まったもの。(出典:)
・糟糠(そうこう)
意味:酒かすと米ぬか。転じて、粗末な食べ物。(出典:デジタル大辞泉)
・混濁(こんだく)
意味:いろいろなものがまじって濁ること。(出典:デジタル大辞泉)