死線
「死線をくぐり抜ける」などのように使う「死線」という言葉。
「死線」は、音読みで「しせん」と読みます。
「死線」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「死線」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
死線の意味
「死線」には次の意味があります。
・生きるか死ぬかの境。生死にかかわる重大な境遇。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「死線」には他の意味もありますが、上記の意味で使われることがほとんどです。 例を挙げて分かりやすく説明すると、「死線を彷徨う」で「生きるか死ぬかの境を彷徨う」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・死線の戦いで、桐山と田中が両極端な気持になったところが興味深い。
(出典:河口俊彦『人生の棋譜 この一局』)
・つい半年前に死線をさまよったことが嘘のように健康を取り戻した。
(出典:佐藤正明『ホンダ神話 教祖のなき後で(上)』)
・争いの種も憎しみも、死線を超えて春の霜の如く消え失せたのである。
(出典:野村胡堂『楽聖物語』)
・死線を越えた生命には、いま万象が新しく、活々と感ぜられるのだった。
(出典:レマルク/蕗沢忠枝訳『西部戦線異状なし』)
・東シナ海を漂流してきた海程は、死線の綱渡りだったとしか言いようがない。
(出典:池上永一『テンペスト1 若夏の巻』)
・一年以上死線を潜り抜けてきた勘が大丈夫だと教えてくれたのだ。
(出典:林亮介『和風Wizardry純情派 1』)
・ともに協力し合い、助け合って死線を乗り越えた実績によるものだった。
(出典:三浦真奈美『風のケアル 第2巻 波濤立つ都』)
・何しろ、二人はいわば、断崖から転落するという死線をさえ、ともにした仲ではないか。
(出典:南里征典『田園調布真紅夫人』)