歪
「歪な形」などのように使う「歪」という言葉。
「歪」は、訓読みで「いびつ」と読みます。
「歪」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「歪」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
歪の意味
「歪」には次の二つの意味があります。
1 物の形がゆがんでいること。また、そのさま。
2 物事の状態が正常でないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
歪の意味①「物の形がゆがんでいること。また、そのさま。」
「歪」の一つ目の意味は「物の形がゆがんでいること。また、そのさま。」です。
正常な形がくずれて、曲がったり、傾いたりすることをいいます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一つひとつがあまりにも巨大で、そして歪な形をしている。
(出典:伊都工平『天槍の下のバシレイス2 まれびとの棺 〈下〉』)
・そこの壁は歪に窪んでいて、正面が中の庭に面した窓、両側が壁になっている。
(出典:坂東眞砂子『旅涯ての地(下)』)
・自分が求めた聖杯が、そんな歪な物である筈がない、と言い聞かせるように。
(出典:奈須きのこ『Fate/stay night 凛 Unlimited Blade Works TrueEnd Brilliant Years』)
・環さえ描いていれば、歪だろうが何だろうが目的には叶っていたはずだ。
(出典:坂東眞砂子『蛇鏡』)
類語
・屈曲(くっきょく)
意味:折れまがること。(出典:デジタル大辞泉)
・湾曲(わんきょく)
意味:弓なりに曲がること。(出典:デジタル大辞泉)
・異形(いぎょう)
意味:普通とは違う怪しい形・姿をしていること。(出典:デジタル大辞泉)
・捻転(ねんてん)
意味:ねじれて向きが変わること。(出典:大辞林 第三版)
歪の意味②「物事の状態が正常でないこと。また、そのさま。」
「歪」の二つ目の意味は「物事の状態が正常でないこと。また、そのさま。」です。
物事の状態や精神などが正常ではなく、ゆがんでいることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・物の見方が歪になってくる。
(出典:福井晴敏『川の深さは』)
・いかに歪な愛であっても、アーダムには愛があり、それは滅きえました。
(出典:古川日出男『アラビアの夜の種族1』)
・恋を馬鹿にするから、結婚が賎しくなり、男女の関係が歪になるのだ。
(出典:武者小路実篤『友情』)
・多分、藤原を育てるに相応しいどこか歪でそれでいて美しい二人だろう。
(出典:岩井志麻子『黒焦げ美人』)
類語
・奇矯(ききょう)
意味:言動が普通と違っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・異常(いじょう)
意味:普通と違っていること。正常でないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・奇異(きい)
意味:普通とようすが違っていること。不思議なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・異様(いよう)
意味:ようすが普通でないさま。変わっているさま。(出典:デジタル大辞泉)