歩調
「歩調を合わせる」などのように使う「歩調」という言葉。
「歩調」は、音読みで「ほちょう」と読みます。
「歩調」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「歩調」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
歩調の意味
「歩調」には次の二つの意味があります。
1 歩くときの調子。特に大勢で歩くときの足どり。
2 大勢で行動するときのお互いのそろいぐあい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
歩調の意味①「歩くときの調子。特に大勢で歩くときの足どり。足並み。」
「歩調」の一つ目の意味は「歩くときの調子。特に大勢で歩くときの足どり。足並み。」です。
この意味では「歩くスピード」に対して使われることが多いです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼は火のほうは見ずに、やはりおなじ歩調で部屋のなかを歩きまわった。
(出典:ユゴー/斎藤正直訳『レ・ミゼラブル(上)』)
・老婆は同じ歩調でその建物の一つだけあいている入口へ私を連れて行く。
(出典:吉田知子『無明長夜』)
・その靴音も、わたしたちの歩調に合わせたように早くなったじゃないか。
(出典:深沢美潮『フォーチュン・クエスト 第3巻 青空文庫対応ルビ付きTXT』)
・二人は歩調をゆるめ、イリヤは一歩一歩さぐるようにして歩いていった。
(出典:トーマス・ストラットン/小倉多加志訳『0011/ナポレオン・ソロ・シリーズ 第12巻 消えた怪飛行船』)
類語
・足並(あしなみ)
意味:複数の人や馬の足の運びのそろいぐあい。(出典:デジタル大辞泉)
・ステップ
意味:足取り。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ペース
意味:歩いたり走ったり泳いだりする速度。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・足運び(あしはこび)
意味:足の動かし方。(出典:デジタル大辞泉)
歩調の意味②「大勢で行動するときのお互いのそろいぐあい。」
「歩調」の二つ目の意味は「大勢で行動するときのお互いのそろいぐあい。」です。
この意味では、特に複数人でおこなう「仕事」や「行動」に対して使われることが多いです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・知識の増加と歩調を合わせて、人間の世界はつぎつぎに拡大して行った。
(出典:森本哲郎『読書の旅 愛書家に捧ぐ』)
・ふたりの歩調はおなじで自分だけが遅れているように高志には感じられた。
(出典:姫野カオルコ『変奏曲』)
・肩を並べていても、歩調がいっしょでも、心は全然いっしょじゃなかった。
(出典:橋本紡『半分の月がのぼる空5』)
・時代の潮流と共に歩調し得ないあらゆる思想や芸術はほろび去るがいい!
(出典:辻潤『錯覚自我説』)
類語
・足並(あしなみ)
意味:複数の人や馬の足の運びのそろいぐあい。(出典:デジタル大辞泉)
・テンポ
意味:物事の進み具合。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ペース
意味:仕事などの進みぐあいや毎日の生活のリズム。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・進行度合い(しんこうどあい)
意味:物事がはかどることの度合い。(出典:精選版 日本国語大辞典)