朝飯前
「そんなことは朝飯前だ」などのように使う「朝飯前」という言葉。
「朝飯前」は、訓読みで「あさめしまえ」と読みます。
「朝飯前」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「朝飯前」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
朝飯前の意味
「朝飯前」には次の意味があります。
・きわめて簡単なこと。非常に容易なこと。(出典:大辞林 第三版)
「朝食を食べる前のわずかな時間で仕事を終えることができる」ということから、たやすいこと、簡単なことを意味する慣用句になりました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ おれの心を読むことなど、魔女には朝飯前だとでもいっているようだった。
(出典:馳星周『夜光虫』)
・頭のいい用心ぶかい人間にとっては、そんなことは朝飯前の仕事だからね。
(出典:サド/澁澤龍彦訳『閨房哲学』)
・任務が終われば、三機を母船に収容することなど朝飯前の仕事のはず。
(出典:宇宙英雄ローダン・シリーズ『07 六つの月の要塞』)
・国持大名の二十や三十の頭を揃える分には、彼等の社会に於ては朝飯前の仕事である。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・そう考えたら常用漢字の読みなんて、小学生でも教えさえすれば朝飯前です。
(出典:安野光雅/藤原正彦『世にも美しい日本語入門』)
類語
・容易(ようい)
意味:たやすいこと。やさしいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・事も無げ(こともなげ)
意味:何事もないかのように平然としているさま。平気なさま。(出典:大辞林 第三版)
・お茶の子さいさい(おちゃのこさいさい)
意味:はやしことば。「お茶の子」は、お菓子のこと。お菓子は腹に残らないことから、容易にできること、たやすいことをいう。(出典:とっさの日本語便利帳)
・お手の物(おてのもの)
意味:なれていて、わけなくできること。また、その物事。得意。(出典:大辞林 第三版)
・屁の河童(へのかっぱ)
意味:何でもないこと。簡単にやってのけること。河童の屁。(出典:大辞林 第三版)