有難迷惑
「有難迷惑な話」などのように使う「有難迷惑」という言葉。
「有難迷惑」は、「ありがためいわく」と読みます。
「有難迷惑」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「有難迷惑」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
有難迷惑の意味
「有難迷惑」には次の意味があります。
・表面はありがたいように見えるが、実際は迷惑であること。人の親切や好意がかえって迷惑に感じられること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
人の親切や好意が、それを受ける人にとっては、かえって迷惑となることを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・立場にもよるが有難迷惑にもなるし、招かれざる客にもなりかねない。もちろん、両者共そのことをよく承知していた。
(出典:山田智彦『銀行 男たちの挑戦』)
・私といえば『出家とその弟子』をいわれるのは私としては有難迷惑だ。
(出典:倉田百三『『出家とその弟子』の追憶』)
・これのみいつも婦人を、敵に取りし一郎の、上もなき有難迷惑ながら。
(出典:清水紫琴『誰が罪』)
・「まだ見たことがないんだから」 ところが、これこそ有難迷惑なことだった。
(出典:E・R・バローズ『創元版/ペルシダー・シリーズ(全7巻) 6 恐怖の世界ペルシダー』)
・切支丹の教えはこの押しつけられた有難迷惑の品によう似ておる。
(出典:遠藤周作『沈黙』)
類語
・お節介(おせっかい)
意味:いらぬことに口出ししたり、余計な世話をしたりすること、またその人をいう。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・独り善がり(ひとりよがり)
意味:他人の意見を無視して、自分だけでよいと思い込んでいること。(出典:デジタル大辞泉)
・厚かましい(あつかましい)
意味:行動や態度に慎みがない。ずうずうしく遠慮がない。(出典:デジタル大辞泉)
・図々しい(ずうずうしい)
意味:恥を知らない。厚かましい。(出典:デジタル大辞泉)
・恩着せがましい(おんきせがましい)
意味:いかにも恩に着せるように厚かましい。(出典:デジタル大辞泉)