月と鼈
「月と鼈ほどの違い」などのように使う「月と鼈」という言葉。
「月と鼈」は、訓読みで「つきとすっぽん」と読みます。
「月と鼈」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「月と鼈」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
月と鼈の意味
「月と鼈」には次の意味があります。
・二つのものがひどく違っていることのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
「月と鼈」をわかりやすく言うと、「比較にならないほど2つのものの違いが大きい」という意味になります。
月は満月で丸く、すっぽんも同じように甲羅が丸く、丸い点が共通しています。
しかし、月は美しい象徴であるのに対し、すっぽんは汚い泥の中に住んでいます。
その違いを喩えたことわざです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この従妹なんぞ、あの二人に較べれば月と鼈ほどの違いです。
(出典:橘外男『墓が呼んでいる』)
・ぼくたちの環境は、月とすっぽんほどちがっていた。
(出典:リルケ/星野慎一訳『マルテの手記』)
・二十歳のおれと今のおれとじゃ、月とスッポン。
(出典:西風隆介『神の系譜VI 竜の時間 神国』)
・第一の見合い写真と較べたら月とすっぽん、天と地ほどの違いがある。
(出典:吉村達也『お見合い』)
・いてもいなくても大して変わらないポジションに堕していた自分と比べれば月とスッポンである。
(出典:鈴木大輔『ご愁傷さまニノ宮くん 5』)
類語
・天地の相違(てんちのそうい)
意味:非常にかけ離れていること。大きな隔たりがあること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・雲泥の差(うんでいのさ)
意味:非常な隔たり。たいへんな差。(出典:デジタル大辞泉)
・雪と墨(ゆきとすみ)
意味:物事の正反対であること。また、違いのはなはだしいことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・雲泥万里(うんでいばんり)
意味:物事が非常にかけ離れていること。(出典:デジタル大辞泉)
・提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)
意味:つりあいがとれないことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)