時雨
「時雨が降る」などのように使う「時雨」という言葉。
「時雨」は、訓読みで「しぐれ」、音読みで「じう」と読みます。
「時雨」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「時雨」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
時雨の意味
「時雨」には次の意味があります。
・初冬の頃、一時、風が強まり、急にぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨。(出典:大辞林 第三版)
わかりやすく言うと、「冬の季節のはじめに降る通り雨」という意味です。
上空に冷気が流れ込んで雨が降る、局地的に起こる天気の変化のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・時々時雨が来たり日影がさしたりするという日の午後であった。
(出典:田山花袋『田舎教師』)
・それは冬雲の走る空の姿でもなく、時雨にぬれた山や野の姿でもなかつた。
(出典:坂口安吾『道鏡』)
・ この点では、雨にしても春雨・秋雨・時雨というように季節によって区別されます。
(出典:久松潜一『万葉集入門』)
・ 時雨が時をおいて通って行くような日の夕方であった。
(出典:与謝野晶子『源氏物語』)
・時雨はいつか通り過ぎたかして、室のなかはまたぱつと明るくなつてきました。
(出典:薄田泣菫『利休と遠州』)
類語
・そぼ降る(そぼふる)
意味:雨が静かに降る。しとしとと降る。(出典:大辞林 第三版)
・春雨(はるさめ)
意味:春に降る雨。春の雨。(出典:デジタル大辞泉)
・秋雨(あきさめ)
意味:秋に降る雨。秋の雨。 (出典:大辞林 第三版)
・小糠雨(こぬかあめ)
意味: 細かな雨。霧のように細かい雨。細雨。ぬか雨。霧雨(きりさめ)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・霧雨(きりさめ)
意味:霧のような細かい雨。水滴の直径0.5ミリ未満をいい、低い層雲から降る。糠雨(ぬかあめ)。小糠雨。きりあめ。(出典:デジタル大辞泉)