旋風
「旋風を巻き起こす」などのように使う「旋風」という言葉。
「旋風」は、音読みで「せんぷう」と読みます。
「旋風」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「旋風」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
旋風の意味
「旋風」には次の意味があります。
・ 渦巻状の空気の流れをいう。トルネード、龍巻、台風など。狭義では直径数十メートル以下の小規模なものをいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
上記の意味から、比喩的に速さ激しさのある動きや、社会に反響があるような突発的な出来事のことを表すこともあります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・そして、彼らは矢の雨と剣の旋風の中で、抵抗しながら後退していった。
(出典:R・E・ハワード『風雲児コナン』)
・その旋風におそわれ、怒った翼に打たれて、混乱し目が見えなくなった。
(出典:ロンドン/山本政喜訳『白い牙』)
・祐之助は、身辺に旋風の袋を持ってあるいているような勢いで入って来た。
(出典:宮本百合子『墓』)
・また熱旋風の発生は、聞きとり調査ではじめてわかったものだった。
(出典:柳田邦男『空白の天気図』)
・云い知れぬ恐怖の旋風となって、彼の足の下から襲いかかったのであった。
(出典:夢野久作『白菊』)
・しばらく彼は酔ったようによろめきながら、頭の中には旋風が渦巻いた。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・当夜、このあたりに旋風が起こり、町の人々を一層恐怖させたとの話。
(出典:海野十三『海野十三敗戦日記』)
・空の黒い旋風のように逃げつつ、虫籠右陣も心中ひどく狼狽している。
(出典:山田風太郎『忍びの卍(まんじ)』)