断腸の思い
「断腸の思いであきらめる」などのように使う「断腸の思い」という言葉。
「断腸の思い」は、「だんちょうのおもい」と読みます。
「断腸の思い」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「断腸の思い」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
断腸の思いの意味
「断腸の思い」には次の意味があります。
・はらわたがちぎれるほど、悲しくつらい思い。(出典:デジタル大辞泉)
「断腸」は漢字の通り「はらわたを断ち切ること」という意味の二字熟語で、比喩的に「はらわたがちぎれるほどの苦しい思い」を「断腸の思い」と言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・断腸の思いで女房を残して私もみんなと車に乗りこんだ。
(出典:北杜夫『マンボウ響躁曲 地中海・南太平洋の旅』)
・彼は病に苦しんでる子供を見ると、断腸の思いがして堪えられなかった。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・みんながなにかしら断腸の思いをこの世に残して死んでいる。
(出典:阿刀田高『三角のあたま』)
・賢三がまるで「断腸の思い」とでもいうような深刻な表情をしていたからだ。
(出典:大槻ケンヂ『グミ・チョコレート・パイン チョコ編』)
・だが、断腸の思いに耐えていたのは、彼女のほうだったはずだ。
(出典:安部龍太郎『戦国秘譚 神々に告ぐ(上)』)
類語
・胸が塞がる(むねがふさがる)
意味:不安や心痛などで胸が詰まるように 感じる。(出典:デジタル大辞泉)
・胸が痛む(むねがいたむ)
意味:心に苦痛を感じる。(出典:デジタル大辞泉)
・身を切られる(みをきられる)
意味:つらさや寒さが厳しく、からだを切る ように感じられる。(出典:デジタル大辞泉)
・心の置き所なし(こころのおきばなし)
意味:心がどうしようもないほどせつなく苦しい。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・悲嘆(ひたん)
意味: 悲しみなげくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)