拒む
「彼は拒んだ」などのように使う「拒む」という言葉。
「拒む」は、訓読みで「こばむ」と読みます。
「拒む」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「拒む」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
拒むの意味
「拒む」には次の二つの意味があります。
1 相手の要求・依頼などをはねつける。受け入れをかたく断る。拒否する。
2 進んでくるものを通さないように押さえとどめる。はばむ。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
拒むの意味①「相手の要求・依頼などをはねつける。受け入れをかたく断る。拒否する。」
「拒む」の一つ目の意味は「相手の要求・依頼などをはねつける。受け入れをかたく断る。拒否する。」です。
きっぱりとした態度や言葉で拒否することを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この種の依頼を拒む理由はないが、だれにでも見せていいものでもない。
(出典:佐木隆三『旅人たちの南十字星(「逃亡射殺」に改題)』)
・たとえぼくがどんな人間であっても、もう拒んだりはしないってことが?
(出典:トルストイ/木村浩訳『アンナ・カレーニナ』)
・妻の立場にありながら、そんなことをいって夫を拒み続けていけるのか。
(出典:渡辺淳一『ひとひらの雪(上)』)
・母親は案内人をつけるよう説得したが、ビンクは拒まざるをえなかった。
(出典:ピアズ・アンソニイ『魔法の国ザンス01~カメレオンの呪文~』)
類語
・撥無(はつむ)
意味:払いのけて信じないこと。否定して排除すること。(出典:デジタル大辞泉)
・退ける(しりぞける)
意味:相手の要求などを受け入れない。用いない。 (出典:大辞林 第三版)
・突撥(つっぱねる)
意味:てきびしくはねつける。拒絶する。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・否む(いなむ)
意味:嫌だと言う。断る。(出典:大辞林 第三版)
拒むの意味②「進んでくるものを通さないように押さえとどめる。はばむ。」
「拒む」の2つ目の意味は「進んでくるものを通さないように押さえとどめる。はばむ。」です。
妨害したり邪魔することを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・できれば排除したいのだが、出身地を理由に入隊を拒むことはできない。
(出典:森岡浩之『星界シリーズ 星界の断章 01 星界の断章 Ⅰ』)
・だが、人類の幸福のための政策論を、芸術の名によつて拒むことはできない。
(出典:平林初之輔『政治的価値と芸術的価値』)
・この怖いほどに美しい星空を目にすることを拒まれたせいではないだろうか。
(出典:荻原規子『西の善き魔女外伝2 銀の鳥プラチナの鳥』)
・そしてその二機の飛び交う空域に第三者の介入を拒むような力があった。
(出典:富野由悠季『機動戦士ガンダムⅡ』)
類語
・阻む(はばむ)
意味:他人がある動作を行おうとしているのをさまたげる。阻止する。 (出典:大辞林 第三版)
・妨害(ぼうがい)
意味:邪魔をすること。(出典:デジタル大辞泉)
・阻害(そがい)
意味:じゃまをして物事を進行させないこと。(出典:大辞林 第三版)
・排斥(はいせき)
意味:受け入れられないとして、押しのけ、しりぞけること。(出典:デジタル大辞泉)