手前勝手
「あの人は本当に手前勝手な人だ」などのように使う「手前勝手」という言葉。
「手前勝手」は、訓読みで「てまえがって」と読みます。
「手前勝手」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「手前勝手」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
手前勝手の意味
「手前勝手」には次の意味があります。
・自分の都合のよいようにばかり考えたり行動したりすること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「手前勝手」とは、他人のことは考えず、自分勝手に行動する人のことを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・公使に頼まれていればこそのお相手なのに、余り手前勝手にもほどがある。
(出典:大倉燁子『消えた霊媒女』)
・まことに何も知らずに手前勝手なこの祖父の昼食以上にいじらしいものは想像もつかんでしょうよ。
(出典:ドーデ/大久保和郎訳『月曜物語』)
・細君を満足させるために、外部に対しては、前よりは一層手前勝手にならなければならなかった。
(出典:夏目漱石『明暗』)
・彼は手前勝手に、グリフュスが娘は病気になったとでも答えてくれればと願っていた。
(出典:アレクサンドル・デュマ/横塚光雄訳『黒いチューリップ』)
・果して誤解も手前勝手も無く、且つ先見の明を以て猫の幸福まで考えて居たのかどうか。
(出典:柳田国男『どら猫観察記』)
類語
・身勝手(みがって)
意味:他人のことを考えず、自分の都合や利益だけを考えて行動すること。また、そのさまや、そのような態度。わがまま。(出典:デジタル大辞泉)
・得手勝手(えてかって)
意味:他人のことは考えず、自分に都合のよいように行動すること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・意のまま(いのまま)
意味:思いどおり。思いのまま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・奔放(ほんぽう)
意味:世間のきまりやしきたりにとらわれないで思うままにふるまうこと。常規に従わないで自由であること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・随意(ずいい)
意味:束縛や制限を受けないこと。思いのままであること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)