憂愁
「憂愁に襲われる」などのように使う「憂愁」という言葉。
「憂愁」は、音読みで「ゆうしゅう」と読みます。
「憂愁」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「憂愁」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
憂愁の意味
「憂愁」には次の意味があります。
・うれえ悲しむこと。気分が晴れず沈むこと。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、「憂愁」は「悲しみが心から離れず、気分が沈むこと」を指します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それをじっと見ていると、花の憂愁とも言えるものが心に通ってくる。
(出典:豊島与志雄『聖女人像』)
・私にとっては一つの憂愁を切り抜ける事はいくらかの成長になります。
(出典:和辻哲郎『ある思想家の手紙』)
・一方、家のなかは来る日も来る日もおそろしい憂愁と退屈の連続だった。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『貧しき人びと』)
・意志の歯ぎしりと、その最も孤独な憂愁とは、このように呼ばれるのだ。
(出典:竹田青嗣『ニーチェ入門』)
・私は北国の峡湾に近い町で、澄んだ憂愁にみちた夏を送ったこともある。
(出典:辻邦生『北の岬』)
類語
・憂鬱(ゆううつ)
意味:気持ちがふさいで、晴れないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・沈鬱(ちんうつ)
意味:気分がしずみ、ふさぎこむこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・気鬱(きうつ)
意味:気分がはればれしないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・鬱鬱(うつうつ)
意味:気がめいってはればれしないさま。心配して心を悩ますさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・気塞ぎ(きふさぎ)
意味:気分がふさいで、晴れ晴れとしないこと。(出典:デジタル大辞泉)