愚直
「愚直に取り組む」などのように使う「愚直」という言葉。
「愚直」は、音読みで「ぐちょく」と読みます。
「愚直」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「愚直」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
愚直の意味
「愚直」には次の意味があります。
・正直なばかりで臨機応変の行動をとれないこと。また、そのさま。ばか正直。(出典:デジタル大辞泉)
愚かなほど正直であることを意味します。
わかりやすく言えば「馬鹿正直」です。
「愚直」の反対語は「狡猾(こうかつ)」。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・律義といえば聞こえはいいが、愚直なほどに要領の悪い仕事ぶりなのである。
(出典:山田正紀『火神(アグニ)を盗め』)
・誰をも理解しようと努め、傷ついても向かってくる愚直さだ。
(出典:福井晴敏『終戦のローレライ(下)』)
・その言葉のハーモニーがわたしの余りにも愚直な耳をとりこにしたことも少なくありません。
(出典:シェイクスピア/大山俊一訳『テンペスト(あらし)』)
・一面において愚直に近い彼の性格は、一面においてかえって彼を神経的にした。
(出典:夏目漱石『道草』)
・相変わらず愚直に「そろそろ復帰しませんか」と声をかけてくる。
(出典:長嶋有『パラレル』)
類語
・馬鹿正直 (ばかしょうじき)
意味:正直すぎて融通がきかないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・杓子定規 (しゃくしじょうぎ)
意味:曲がった杓子の柄を定規に用いることから、誤った基準でものをはかることのたとえ。(出典:四字熟語を知る)
・一徹 (いってつ)
意味:思いこんだことはひと筋に押し通すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・堅物 (かたぶつ)
意味:きまじめで、融通のきかない人。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・一意専心 (いちいせんしん)
意味:ひたすら一つの事に心を集中すること。(出典:四字熟語を知る辞典)