怪異
「怪異に遭う」などのように使う「怪異」という言葉。
「怪異」は、音読みで「かいい」と読みます。
「怪異」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「怪異」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
怪異の意味
「怪異」には次の三つの意味があります。
1 現実にはあり得ないと思われるような不思議な事柄。また、そのさま。あやしいこと。
2 変だと思うこと。不審。
3 ばけもの。へんげ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
怪異の意味①「現実にはあり得ないと思われるような不思議な事柄。また、そのさま。あやしいこと。」
「怪異」の一つ目の意味は「現実にはあり得ないと思われるような不思議な事柄。また、そのさま。あやしいこと。」です。
「怪異に遭遇する」で、「不思議な目にあう」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あとになって思い出しても、それは信じられないほど怪異な記憶であった。
(出典:山田風太郎『信玄忍法帖』)
・この島で起きた怪異、護堂から聞いた情報、その全てから推測した結果よ。
(出典:丈月城『カンピオーネ! 3 はじまりの物語』)
・実際には彼もほかの学生たちとおなじように九割方は怪異現象だと信じている。
(出典:中村弦『天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語』)
類語
・怪奇(かいき)
意味:あやしく不思議なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・不可思議(ふかしぎ)
意味:考えも及ばない不思議なこと。怪しく異様なこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・妙(みょう)
意味:不思議なこと。奇妙なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
怪異の意味②「変だと思うこと。不審。」
「怪異」の二つ目の意味は「変だと思うこと。不審。」です。
「怪異な仕草」で、「不審な仕草」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・なぜかといえば、片鼻そげている顔が、いかにも怪異に見えたのである。
(出典:吉川英治『神州天馬侠(二)』)
・すでに志津夫は、数々の怪異な事実や証拠、情報などを知ってしまった。
(出典:梅原克文『カムナビ(上)』)
・今は怪異があたりの空気に満ちて、 どうして避けて好いか、分からぬ。
(出典:ゲーテ/森鴎外訳『ファウスト(下)』)
類語
・怪しい(あやしい)
意味:行動や状況が不審である。疑わしい。(出典:デジタル大辞泉)
・不審(ふしん)
意味:疑わしく思うこと。疑わしく思えること。(出典:デジタル大辞泉)
・変(へん)
意味:普通と違っているさま。ようすがおかしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
怪異の意味③「ばけもの。へんげ。」
「怪異」の三つ目の意味は「ばけもの。へんげ。」です。
この場合の「怪異」は、「現実には存在しないような化け物」を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そこには怪異があるといって注意した者もあったが、盧は肯かなかった。
(出典:岡本綺堂『中国怪奇小説集』)
・八九寺を怪異にしない代わりに、全人類を怪異にしてしまったのだから。
(出典:西尾維新『物語シリーズ 8 傾物語』)
・怪異などというものがこの世にあるはずはないのだ。
(出典:駒田信二『中国怪奇物語(妖怪編)』)
類語
・妖怪(ようかい)
意味:人の理解を超えた不思議な現象や不気味な物体。(出典:デジタル大辞泉)
・モンスター
意味:正体のわからない恐ろしいもの。巨大な化物(ばけもの)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・怪物(かいぶつ)
意味:あやしいもの。正体のわからない不思議なもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)