微妙
「微妙な関係」などのように使う「微妙」という言葉。
「微妙」は、音読みで「びみょう」と読みます。
「微妙」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「微妙」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
微妙の意味
「微妙」には次の二つの意味があります。
1 なんともいえない味わいや美しさがあって、おもむき深い・こと(さま)。
2 はっきりととらえられないほど細かく、複雑で難しい・こと(さま)。 (出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
微妙の意味①「なんともいえない味わいや美しさがあって、おもむき深い・こと(さま)。」
「微妙」の一つ目の意味は「なんともいえない味わいや美しさがあって、おもむき深い・こと(さま)。」です。
重要な意味が含まれていることもありそうだが簡単には言い表せない様子などを指したりします。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・微妙な表現についての微妙なニュアンスを説明しているところだとする。
(出典:姫野カオルコ『愛は勝つ、もんか』)
・それゆえに現代は、いっそう複雑に微妙な風貌をしているのではないか。
(出典:太宰治『花燭』)
・そして誰もかもが、その顏の上にきはめて微妙な或る物を持つてゐます。
(出典:リルケ・ライネル・マリア『巴里の手紙』)
・恰も小声で何事か囁くかのやうな微妙な甘美さに満ちた靴の音が響いた。
(出典:牧野信一『痴酔記』)
類語
・風情(ふぜい)
意味:風流・風雅の趣・味わい。情緒。(出典:デジタル大辞泉)
・感興(かんきょう)
意味:興味がわくこと。面白みを感じること。 (出典:大辞林 第三版)
・情趣(じょうしゅ)
意味:しみじみと落ち着いた気分やおもむき。(出典:デジタル大辞泉)
・風流(ふうりゅう)
意味:上品な趣があること。みやびやかなこと。また、そのさま。風雅。(出典:デジタル大辞泉)
微妙の意味②「はっきりととらえられないほど細かく、複雑で難しい・こと(さま)。」
「微妙」の二つ目の意味は「はっきりととらえられないほど細かく、複雑で難しい・こと(さま)。」です。
どちらとも言いかねるような、はっきりとしない様を表します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・犬の絵が微妙に変化しているのを見て、さあ驚くがいい、と思っていた。
(出典:乙一『平面いぬ。』)
・これには、微妙に生活の又ほかの面からの影響とも交錯していると思う。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
・つまり男生徒達と女生徒達の間には微妙な心理作戦が行われている。
(出典:外村繁『澪標』)
・仕事の内容がそれまでとは微妙に異なっていく、というような変化だ。
(出典:片岡義男『物のかたちのバラッド』)
類語
・不透明(ふとうめい)
意味:事の成り行きや実状などが、はっきり示されないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・中途半端(ちゅうとはんぱ)
意味:始めた物事が完了しないでいること。態度などが徹底せず、どっちつかずの状態であること。(出典:デジタル大辞泉)
・曖昧(あいまい)
意味: 態度や物事がはっきりしないこと。また、そのさま。あやふや。(出典:デジタル大辞泉)
・グレーゾーン
意味:どっちつかずのあいまいな領域。(出典:大辞林 第三版)