往年
「往年の名選手」などのように使う「おうねん」という言葉。
「往年」は、音読みで「おうねん」と読みます。
「往年」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「往年」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
往年の意味
「往年」には次の意味があります。
・過ぎ去った年。昔。(出典:デジタル大辞泉)
「往年」は、昔のこと振り返るときに使うことが多く、「往年の名俳優」で「過去の名俳優」という意味になります。
「往年」の「往」は、一字だけで「むかし」や「いにしえ」という意味を持ちます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もうそろそろ往年のピークは過去のものとなりつつあるが、やはり根強い人気は残っている。
(出典:神野オキナ『あそびにいくヨ!第1巻』)
・彼は往年のことを思うと、何ともいえないものに打たれた。
(出典:山本有三『路傍の石』)
・往年の面影など見る影もないほどに風化した、死そのものしかない場所だ。
(出典:虚淵玄『沙耶の唄 BADEND』)
・拙者往年この町に住んでいたことがあるので、思わぬ知人がいるのである。
(出典:坂口安吾『安吾巷談』)
・彼は往年の自分のように学士となって帰ってくる息子を待っているのである。
(出典:ツルゲーネフ/佐々木彰訳『父と子』)
類語
・古(いにしえ)
意味:過ぎ去った古い時代。過ぎ去った月日。昔。過去。(出典:デジタル大辞泉)
・旧時(きゅうじ)
意味:過ぎ去った昔。以前。往時。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・昔(むかし)
意味:時間的にさかのぼった過去の一時期・一時点。時間の隔たりの多少は問わずに用いるが、多く、遠い過去をいう。(出典:デジタル大辞泉)
・往日(おうじつ)
意味:過ぎ去った日。昔日。(出典:デジタル大辞泉)
・過日(かじつ)
意味:過ぎ去った、ある日。先日。この間。(出典:精選版 日本国語大辞典)