差別化
「差別化する」などのように使う「差別化」という言葉。
「差別化」は、音読みで「さべつか」と読みます。
「差別化」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「差別化」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
差別化の意味
「差別化」には次の二つの意味があります。
1 一方を高く、一方を低く取り扱うこと。
2 同類の他のものと違いを際立たせること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
差別化の意味①「一方を高く、一方を低く取り扱うこと。」
「差別化」の一つ目の意味は「一方を高く、一方を低く取り扱うこと。」です。
いわゆる、能力の優劣や貧富などについて差をつけることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・世界中どこでも客船というのは等級による差別化が明確に行なわれている。
(出典:足立倫行『アジア海道紀行』)
・自分の優位さをより強調して表現し、他者との差別化を一層はっきりさせようとする韓国。
(出典:呉善花『新 スカートの風』)
・そしてボールがリングを抜けるたびに私と茜の差別化は進んでいくことになるのである。
(出典:大崎善生『孤独か、それに等しいもの』)
・僕に対する差別化を図っているのかもしれない。
(出典:西尾維新『物語シリーズ 15 終物語(上)』)
類語
・偏見(へんけん)
意味:かたよった見方・考え方。ある集団や個人に対して、客観的な根拠なしにいだかれる非好意的な先入観や判断。(出典:デジタル大辞泉)
・不公平(ふこうへい)
意味:公平でないこと。片寄りがあること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・僻目(ひがめ)
意味:物事をかたよった考えで判断すること。偏見。(出典:デジタル大辞泉)
・片手落ち(かたておち)
意味:配慮や注意が一方にだけかたより、判断などの不公平なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
差別化の意味②「同類の他のものと違いを際立たせること。」
「差別化」の二つ目の意味は「同類の他のものと違いを際立たせること。」です。
ビジネスシーンでよく使われる言葉で、ある商品やサービスの販促を目的に、同業他社のものとの違いを際立たせるための戦略をたてる、といった意味で使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この造りは玄関の両開き扉も同様で、明らかに他との差別化が窺える。
(出典:綾辻行人『暗黒館の殺人(上)改訂6-2-8』)
・話題性と他ホテルとの差別化が目的だったのかもしれないが、あまりにも客の立場を無視しすぎている。
(出典:金益見『ラブホテル進化論』)
・一企業としての差別化にもなるし、そういう経験が次のビジネスにつながっていくこともあると思うんです。
(出典:池井戸潤『下町ロケット』)
・他社との差別化を図るため、トムソンは違いをデザインに求めた。
(出典:佐藤正明『陽はまた昇る 映像メディアの世紀』)
類語
・ユニーク
意味:唯一であるさま。また、そのものだけが他と異なるさま。独特。無比。独自。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・製品差別化(せいひんさべつか)
意味:自社の製品に対し競合製品と識別させるために価格以外の特異性を与え、顧客に自社製品の優越性を認識させてその購買へと誘導し、競争上の優位を得ようとするマーケティング戦略の一つ。(出典:)
・ブランド差別化(ぶらんどさべつか)
意味:マーケティング戦略の基本のひとつで、自社製品のブランドの優位性を強調すること。(出典:流通用語辞典)
・非価格競争(ひかかくきょうそう)
意味:商品やサービスの販売にあたり,価格以外の要素によって各企業が相互に競争することをいう。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)