巧拙
「巧拙を問わない」などのように使う「巧拙」という言葉。
「巧拙」は、音読みで「こうせつ」と読みます。
「巧拙」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「巧拙」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
巧拙の意味
「巧拙」には次の意味があります。
・たくみなことと、へたなこと。上手(じょうず)と下手(へた)。工拙。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「巧」は「上手」、「拙」は「下手」を意味します。
「巧拙」は「工拙」とも書きます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・字の巧拙は問わないが、どうしてこう読みにくい字があるのか。
(出典:阿刀田高『時のカフェテラス』)
・単なる撮影の巧拙ではなく、撮られた人間の意図的な演出なのだろう。
(出典:宇神幸男『神宿る手』)
・技術の巧拙が重要なのではない。
(出典:山口芳宏『雲上都市の大冒険』)
・編集の巧拙などはほとんど問題にしなくてもよいかと思われる。
(出典:寺田寅彦『映画雑感(III)』)
・そこで詩、書、画は一体となり、巧拙などということを問題にしない。
(出典:福永武彦『第五随筆集 書物の心』)
類語
・手練(しゅれん)
意味:みがき上げた腕前。熟練した手なみ。なれた手ぎわ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・堪能(たんのう)
意味:技芸・学問などにすぐれているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・技巧(ぎこう)
意味:技術にすぐれていること。たくみ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・拙劣(せつれつ)
意味:へたで幼稚なこと。程度が低く悪いこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・不得手(ふえて)
意味:その作業・動作をうまくこなせないこと。得意でないこと。また、そのさま。不得意。(出典:精選版 日本国語大辞典)