小田原評定
「小田原評定で会議が長引く」などのように使う「小田原評定」という言葉。
「小田原評定」は、「おだわらひょうじょう」と読みます。
「小田原評定」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「小田原評定」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
小田原評定の意味
「小田原評定」には次の意味があります。
・いつになってもきまらない会議、相談。(出典:精選版 日本国語大辞典)
小田原咄(はなし)、小田原相談とも言います。
日本の戦国時代、豊臣秀吉が現在の神奈川県にある小田原城の北条氏を攻めた際、城中で和戦の意見が対立し、いたずらに日時を送ったところから出来た故事成語です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・発令所の面子の小田原評定を聞いていたアスカは、覚悟を決めていた。
(出典:九条公人『サクっとEVANGELION』)
・大の男が毛脛をそろえてここでこうして小田原評定をしていてもはじまらない。
(出典:横溝正史『びっくり箱殺人事件』)
・長い小田原評定で、殆どボールに関する雑談と言ってよかった。
(出典:半村良『となりの宇宙人』)
・このへんから会議は、所謂小田原評定的な調子を露呈するに至った。
(出典:丘丘十郎『地球発狂事件』)
・たとえば同じような議論がはてしなく堂々めぐりする小田原評定的な会議などは、別の仕事をやりながらでも結構つとまることが多い。
(出典:堀淳一『物理の風景―数理物理学者の見た世界』)
類語
・押し問答(おしもんどう)
意味:互いにあとにひかないで強く言いあって議論すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・水掛け論(みずかけろん)
意味:両者が互いに自説にこだわって、いつまでも争うこと。また、その議論。互いに自分の田に水を引こうと争うことからとも、水の掛け合いのように勝敗の決め手のない論争の意からともいう。(出典:デジタル大辞泉)
・平行線(へいこうせん)
意味:互いの主張・意見などがどこまでいっても妥協点の見いだせない状態をいう。(出典:デジタル大辞泉)
・埒が明く(らちがあく)
意味:物事にきまりがつく。かたがつく。(出典:デジタル大辞泉)
・堂々巡り(どうどうめぐり)
意味:同じ所をぐるぐると回ること。また、考えや議論などが、同じことをいつまでも繰り返して進展しないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)