安穏
「安穏な雰囲気」などのように使う「安穏」という言葉。
「安穏」は、音読みで「あんのん」と読みます。
「安穏」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「安穏」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
安穏の意味
「安穏」には次の意味があります。
・変わりがなく、穏やかなさま。無事。平穏(出典:精選版 日本国語大辞典)
「安穏」をわかりやすく言うと「とくに変わったこともなく落ち着いていて、困難などもないこと」をあらわす言葉になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そうでなくてもこんな世情だ、時間は安穏と回っている世界よりも濃蜜に過ぎる。
(出典:有川浩『塩の街 wish on my precious』)
・いつまでも眺めていたいような、そんな安穏な情景であった。
(出典:井上靖『崖(下)』)
・そして私たちは数年の間、完全に和合して安穏に、共に暮らしました。
(出典:佐藤正彰訳『千一夜物語』)
・むろん、これを仕掛ける経営者側だって安穏としてはいられなくなる。
(出典:里中哲彦『鬼平犯科帳の人生論』)
・のころには疲労と夕方の空気の騒ぎで気持の上の安穏さは失っていた。
(出典:竹内好『近代の超克』)
類語
・穏やか(おだやか)
意味:静かでのどかなさま。安らか。(出典:デジタル大辞泉)
・平安(へいあん)
意味:無事でおだやかであること。変わったこともなくやすらかであること。つつがないこと。いつもかわらないこと。また、そのさま。無事。平穏。安穏。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・安寧(あんねい)
意味:穏やかにおさまり、異変、不安などがないこと。また、そのさま。安泰。平穏。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・温厚(おんこう)
意味:おだやかでおちついたさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・安らか(やすらか)
意味:穏やかで変わったことのないさま。平安なさま。(出典:デジタル大辞泉)