安直
「安直な考え方」などのように使う「安直」という言葉。
「安直」は、音読みで「あんちょく」と読みます。
「安直」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「安直」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
安直の意味
「安直」には次の二つの意味があります。
1 価格が安いこと。また、そのさま。
2 簡単で手軽なさま。また、いい加減なさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
安直の意味①「価格が安いこと。また、そのさま。」
「安直」の一つ目の意味は「価格が安いこと。また、そのさま。」です。
手に入れやすい価格や様子をあらわす言葉になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・乗換え駅の裏口のそばに、よい日本酒を安直に飲ませる家がある。
(出典:豊島与志雄『悲しい誤解』)
・ホテルは二つ星の安直な所に泊ったが、気持のいいホテルだった。
(出典:五木寛之『風に吹かれて』)
・つまりは湯治場なのであって、安直さが利用客には何よりのことなのであろう。
(出典:本田靖春『誘拐』)
類語
・廉価(れんか)
意味:値段のやすいこと。やすい値段。また、やすいさま。安価。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・格安(かくやす)
意味:品質の割合に値段が安いこと。また、そのさま。わりやす。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・低廉(ていれん)
意味:金額が安いこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・安価(あんか)
意味:値段が安いこと。また、そのさま。廉価。(出典:精選版 日本国語大辞典)
安直の意味②「簡単で手軽なさま。また、いい加減なさま。」
「安直」の二つ目の意味は「簡単で手軽なさま。また、いい加減なさま。」です。
簡単で手軽な様子の他に、いい加減な様子という意味もあり、良くないニュアンスで使うことが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・俺は安直な想像で無理やり事件を理解しようとしているだけなのか?
(出典:竜騎士07『うみねこのなく頃に Episode 1 – The Legend of the Golden Witch [A3879D13]』)
・うまい文句が思いつかなかったらしく、その口から出てきたのは安直な台詞。
(出典:伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第4巻』)
・「まあなんとかやってみましょう」 とこっちも安直に引き受けてしまった。
(出典:青島幸男『わかっちゃいるけど… シャボン玉の頃』)
・先頭に〝お〟がつく男の子が、クラスに大西だけだったからって、安直すぎたと反省していると。
(出典:野村美月『文学少女シリーズ(全16巻) 15 “文学少女”と恋する挿話集4』)
類語
・安穏(あんのん)
意味:変わりがなく、穏やかなさま。無事。平穏。安泰。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・能天気(のうてんき)
意味:軽薄でむこうみずであること。のんきでばかげていること。また、そのさまや、そのような(出典:デジタル大辞泉)
・楽天的(らくてんてき)
意味:物事にくよくよしないでいつも明るいほうに考えていくさま。のんきなさま。(出典:デジタル大辞泉)
・手軽い(てがるい)
意味:手数がかからない。造作ない。たやすい。(出典:デジタル大辞泉)