安心立命
「安心立命している」などのように使う「安心立命」という言葉。
「安心立命」は、音読みで「あんしんりつめい」と読みます。
「安心立命」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「安心立命」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
安心立命の意味
「安心立命」には次の意味があります。
・ 儒教で、人力を尽くしてその身を天命に任せ、どんな場合にも落ち着いていること。天命を知って心を平安に保ち、むやみに心を動かさないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「安心立命」を分かりやすくいうと、「天命に身を任せ、どんなことにも動じない心を持つこと」です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・自分の感覚を通して這入つて来るものの中に安心立命してゐるのである。
(出典:中原中也『草野心平詩集『母岩』』)
・一切の苦悶を解放して安心立命した人のように彼の容貌は朗らかである。
(出典:国枝史郎『蔦葛木曽棧』)
・信仰の中心はそういう様式上の問題などにあるのではなく、安心立命の問題にあるのだ。
(出典:倉田百三『女性の諸問題』)
・即ち所謂「悠々自適」の境に達し、安心立命して暮すことができるのだ。
(出典:萩原朔太郎『病床生活からの一発見』)
・安心立命したいものはするがよく、事実迷っているものは迷うがよい。
(出典:戸坂潤『思想と風俗』)
・みだれた天下を一つにおさめ、人民を安心立命させるための三十万でした。
(出典:徳富蘇峰『将来の日本』)
・そこに家庭を作って安心立命のうちに暮らせるような都市を得たのだ。
(出典:E・R・バローズ『創元初訳版/金星シリーズ(全5巻) 3 金星の独裁者』)
・客観描写という事は、やがてその人の安心立命の助けともなる。
(出典:高浜虚子『俳句への道』)