子供だまし
「子供だましのおもちゃ」などのように使う「子供だまし」という言葉。
「子供だまし」は、訓読みで「こどもだまし」と読みます。
「子供だまし」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「子供だまし」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
子供だましの意味
「子供だまし」には次の二つの意味があります。
1 子供をだますこと。子供をなだめすかすこと。
2 子供をだますような見え透いたごまかし。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
子供だましの意味①「子供をだますこと」
「子供だまし」の一つ目の意味は「子供をだますこと」です。
子供の駄々こねはしつこいですね。でも、コロッと騙されて、すぐに笑顔を見せる。実に切り替えの早い素直な人間です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・子供だましの小さな鍵のついた、子供用の貯金箱を盗むようなもんでさ。
(出典:セイヤーズ /井上一夫訳『毒』)
・大発明はいつも子供だましから出発するのです。
(出典:江戸川乱歩 『偉大なる夢』)
・子供だましの遊びだったけれど、みんなつられて代わりばんこにやった。
(出典:今野緒雪 『マリア様がみてる 23 くもりガラスの向こう側』)
・しかしこの書物は子供だましではなく、かなり凝って造られていた。
(出典:桜庭一樹 『GOSICK 第4巻』)
・十二、三になると、彼は、菓子のような子供だましは欲しがらなくなった。
(出典:皆川博子 『旅芝居殺人事件』)
子供だましの意味②「子供をだますような見え透いたごまかし。」
「子供だまし」の二つ目の意味は「子供をだますような見え透いたごまかし。」です。
大人になれば経験値から見透かせる誤魔化しは色々ありますね。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・自分の能力が子供だましのものであることは、自分でもよく承知している。
(出典:山田風太郎 『戦中派虫けら日記』)
・そんな子供だましのために金を使わないのか、と思い、おかしくなった。
(出典:中上健次 『十九歳のジェイコブ』)
・いつまでもそんな子供だましが世界に通じると思っていたら大間違い。
(出典:九条公人 『サクっとEVANGELION』)
・あの子供だましのペテン師どものだれよりも深い信仰の持ち主じゃよ。
(出典:フローベール /白井浩司訳『ボヴァリー夫人』)
・あんな圧倒的な力を見せつけられた後では、自分の技など子供だましでしかない。
(出典:池上永一 『レキオス』)