如才
「如才ない笑顔」などのように使う「如才」という言葉。
「如才」は、音読みで「じょさい」と読みます。
「如才」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「如才」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
如才の意味
「如才」には次の意味があります。
・ 気を使わないために生じた手落ちがあること。また、そのさま。手抜かり。(出典:デジタル大辞泉)
「如才ない」のように、打消しの語を伴って使うことが多く、「如才ない対応」であれば「抜けめのない対応」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼のような如才ない男はいつの間にか幕府に取り入ったに違いなかった。
(出典:井伏鱒二『小説日本芸譚』)
・彼は本当に如才ない人で、自分の家に誰が来ても決して嫌な顔をしたりしない。
(出典:山本文緒『紙婚式』)
・前の女中がしたように、彼女も燗徳利を手にすると、如才なく酌をした。
(出典:鮎川哲也『戌神はなにを見たか』)
・しかし機嫌のよい時は実に如才のない、頓智のある気の利いた子でした。
(出典:大倉燁子『魂の喘ぎ』)
・また妙に如才ないサービスをつとめなければならない立場にあるということらしい。
(出典:中野好夫/安野光雅編『悪人礼賛 ―中野好夫エッセイ集』)
類語
・手抜かり(てぬかり)
意味:不注意のため、しなければならないことを十分にしないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・迂闊(うかつ)
意味:うっかりしていて心の行き届かないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・手落ち(ておち)
意味:手続きや仕事の上で不足や欠点があること。(出典:デジタル大辞泉)
・尻抜け(しりぬけ)
意味:結果に手ぬかりのあること。(出典:デジタル大辞泉)
・欠漏(けつろう)
意味:必要な事物が欠け落ちていること。(出典:デジタル大辞泉)