大は小を兼ねる
「大は小を兼ねるからそれがあれば大丈夫」などのように使う「大は小を兼ねる」という言葉。
「大は小を兼ねる」は、「だいはしょうをかねる」と読みます。
「大は小を兼ねる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「大は小を兼ねる」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
大は小を兼ねるの意味
「大は小を兼ねる」には次の意味があります。
・大きいものは小さいものの効用も併せ持っている。大きなものは小さなものの代わりとしても利用できる。(出典:ことわざを知る辞典)
言い換えれば、大きいものと小さいもの両方なくても、大きいものがひとつあれば十分に小さいものの役目も果たす、という意味です。
あるいは、大きいものなら小さいものの代用ができるので、大きいものさえあれば、小さいものが必要になった時にも困らない、とも言い換えることができます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・小麦まんじゅうの頭へ大豆をのせたようなのもあれば、中には糠漉し袋の先へどんぐりを付けたような大きいやつもある、もっとも大は小を兼ねるといって、大きいやつは大きいだけあって、重宝なことがある。
(出典:今村信雄編『古典落語(中)』)
・そんな質問があると、父は決まって、大は小を兼ねる、と答えた。
(出典:佐竹一彦『よそ者』)
・大は小を兼ねる、のですから。
(出典:宇神幸男『神宿る手』)
・わざわざ小さいのに買い替えなくても、大は小を兼ねるで、今持っているもので十分じゃない。
・そちらの大型の機材でも細かい作業はできますが、扱いにくくなるので、大は小を兼ねると一概には言えません。
類語
・備え有れば憂い無し(そなえあればうれいなし)
意味:平生からいざというときの準備を怠らなければ、万一の事態が起こっても、少しも心配することはない。(出典:ことわざを知る辞典)
・一石二鳥(いっせきにちょう)
意味:一つの石で二羽の鳥をしとめる。一つの行為によって、同時に二つの成果を挙げることのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)
・一挙両得(いっきょりょうとく)
意味:一つの行動によって、二つの利益を収めること。一度に二様の利益を得ること。(出典:四字熟語を知る辞典)
・長持枕にならず(ながもちまくらにならず)
意味:大は小を兼ねるといっても、大きすぎては用をなさないこともある。(出典:デジタル大辞泉)
・杓子は耳掻きにならず(しゃくしはみみかきにならず)
意味:大きい物が、必ずしも小さい物の代用になるとは限らないというたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)