夜叉
「夜叉のような形相」などのように使う「夜叉」という言葉。
「夜叉」は、音読みで「やしゃ」と読みます。
「夜叉」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「夜叉」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
夜叉の意味
「夜叉」には次の意味があります。
・ 顔かたちが恐ろしく、性質が猛悪なインドの鬼神。仏教に取り入れられて仏法を守護する鬼神となり、毘沙門天の眷族けんぞくとされる。(出典:デジタル大辞泉)
インドの鬼神「ヤクシャ」から来た言葉で、日本でいう「阿修羅」のような形相の鬼神のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・そのうち己の心臓の音が夜叉に聞こえてしまうのではないかと恐怖に打ち震えた。
(出典:千秋寺亰介『怨霊記 1 四国結界篇』)
・そんなために、十一年もの間、藤夜叉は、待っていたのではありません。
(出典:吉川英治『私本太平記』)
・自らが歌う曲に合わせて、柊は自らの掌を、夜叉の胸に強く押しあてた。
(出典:三雲岳斗『カーマロカ 将門異聞』)
・夜叉は仏の威光に恐れて寺の中などへこないだろうかと思った。
(出典:田中貢太郎『太虚司法伝』)
・夜叉の足音が遠ざかり、やがてハタと途絶えたときは全身の力が抜けた。
(出典:荒俣宏『帝都物語4』)
・怒り出すかと思われた夜叉は、しかし静かに目を伏せただけだった。
(出典:三雲岳斗『カーマロカ 将門異聞』)
・もう一つ学んだことは、自分の気持次第で天女も夜叉に見えるということ。
(出典:関容子『日本の鶯堀内大學聞書き』)
・メッセージに目を通すや否や、アキラの表情が夜叉のように険しくなった。
(出典:中野順一『セカンド・サイト』)